1555年、戦国武将・武田信玄は、信州善光寺の本尊である善光寺如来像を戦禍から守るため、甲斐善光寺に遷座させた。信玄の死後、今度は武田家を滅ぼした織田信長がこれを岐阜に移し、その後も豊臣秀吉、徳川家康ら時の権力者の意向で各地を転々とした後、1598年に信州善光寺に戻された。 遷座の後も岐阜では、信長の孫・秀信が伊奈波善光寺堂を建立して善光寺如来像の分身を祀り、岐阜善光寺として現在に至っている……。 そんな由緒を住職の松枝秀乗さんに伺っていると、足元に猫がすり寄ってきた。「その猫はトムといいます。保護した猫 ...