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神様・仏様・お猫様 神社仏閣の猫 第18回

観音様とムーンちゃん。どちらも尊く感じる

讃岐國分寺は741年に聖武天皇が仏教による国の平和を願って全国各地に建立した国分寺の一つ。四国霊場第八十番札所でもあり、いつも多くの参拝客で賑わっている。

仁王門を潜り松の木の道を抜けると鎌倉時代に再建された本堂が見える。本尊の十一面千手観世音菩薩に参って賽銭を納めると、御前立仏の他に白い猫の像が見えた。参拝を終えて住職の大塚純司さんと話をしていると三毛猫が現れた。

「猫の中でも三毛が好き」と住職の大塚さん。撫でる手が優しい

お気に入りのブラッシング

「11年前、当時飼っていた犬の散歩中に1匹の子猫に出会いました。保護した時はちょうど夕方で地平線に大きな満月が見えました。仏教で月は悟りの心を意味します」

だから大塚さんは子猫をムーンちゃんと名付けた。

「ムーンちゃんは境内で自由に暮らしているのでいつでも会えるとは限りませんが、参拝客を見かけるとすり寄っていったり、人懐こいので子どもが触っても逃げなかったりと、皆さんを笑顔にしてくれます」と目を細める大塚さん。

小さい子どもにも動じず、撫でられるのを楽しんでいる様子

広い境内はムーンちゃんの遊び場であり、木陰やお堂の下などでよく見かける

お勤めをしているとずっとそばにいることもあり、大塚さんのお腹に乗る癖がある。居場所がわからない時は無理に捕まえようとするより、横になってお腹の上に乗ってくるのを待つほうが得策だという。

とはいえ、参拝客はたびたび雲隠れするムーンちゃんに会えるとは限らない。そこで本堂の白猫像だ。大塚さんが上京した折に藝大アートプラザで開催された「藝大の猫展」で出会ってリアルな造形に魅せられ、ムーンちゃんに会えなかった人のために寺に迎えたのだとか。この「幸せの白猫あくび」という大きなテラコッタ像は参拝客に大好評のようだ。

ムーンちゃんと「幸せの白猫あくび」。どちらも寺猫として参拝客を喜ばせている

この日のムーンちゃんはサービス精神旺盛。団体客に愛嬌を振りまき、大塚さんと並んで歩き、案内するように本堂にも一緒についてきてくれた。試しに大塚さんに寝そべってもらうとやはり寄ってきてお腹に乗った。肉親のように強い絆を感じた。

夕方の帰り際にはお気に入りの場所から見送ってくれた。満月の日に空を見上げれば、きっとムーンちゃんのことを思い出すだろう。

おみくじは種類も豊富。全部引いてと言っているのかな?

灯籠の中はお気に入りの休憩所

納経所の薬缶を器に水を飲む。ここではおみくじを引ける他、お守りや御朱印を受けることもできる

指に水をつけて近づけると飲んでくれる。心なしか表情も嬉しそう

真言宗御室派別格本山
讃岐國分寺

香川県高松市国分寺町国分2065
TEL 087-874-0033
https://sanukikokubunji.jp
Instagram:sanukikokubunji

小森正孝(写真・文)
1976年生まれ、愛知県一宮市出身。大阪芸術大学写真学科卒業。同大学副手として研究室勤務。現在フリーカメラマンとして猫撮影を中心に活動。写真集『ねころん』(株式会社KATZ)等。

HP:https://komorimasataka.com/home

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