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神様・仏様・お猫様 神社仏閣の猫 第17回

住職の昼食風景。左の手元には猫のオヤツが置かれていて、いつもこの賑わい

4匹の猫たちに体に乗られてオヤツをねだられながらも、住職は全く動じることなく黙々と食事をつづける……。それが栃木県那須・長楽寺の食卓風景。

お寺の由緒は約400年前の江戸時代初期に遡り、現在の大田原市にある真言宗の明王寺の末寺として、本尊の薬師如来を携えた暁祥和尚が創建したとされる。本堂でお参りを済ませ、寺務所に入ると好奇心旺盛なたーくん(2歳オス)が挨拶にすり寄ってきてくれた。

本堂でお勤めする住職に付き合うミー子

「祖父が住職を務めていた頃から猫は寺で飼われる身近な存在でした。その頃は農家が多かったので、作物をネズミなどから守る役目があったのでしょう」と、住職の鈴木祥蔵さんが寺と猫の縁を教えてくれる。

その後、しばらく猫がいない時期があったが、2010年、小学生だったお嬢さんが夏休みの登校日に見つけた子猫を飼いはじめた。それがミー子(12歳メス)。翌年ひーちゃん(メス)、まー君(オス)、シロ君(オス)が生まれ、2020年に保護猫のこーちゃん(2歳メス)とたーくんを迎え、現在は6匹で生活している。

こーちゃんは寺一番の食いしん坊

たーくんは遊びたい盛り。住職の振る草と真剣勝負

全猫並んで食事。左からミー子、ひーちゃん、シロ君、こーちゃん、まー君、たーくん

揃って寺務所でお客さんを出迎えるミー子たち。微妙に温度差があるのが猫らしい

お寺のPR用に始めたTwitterで日常の一部として猫を出しはじめると、徐々に人気が広がり、いまや26万フォロワーの人気アカウントに。テレビや新聞などでも取り上げられ、全国から猫に会いにやってくる人や、住職を慕って会いにきてくれる人も増えたそう。

新しいご縁もさることながら、鈴木さんには、報道を見た檀家さんが「今度は孫と一緒に行くね」などとお寺を身近に感じてくれるのが嬉しいという。

参拝にきた人は寺務所で猫たちに会える。お客さんは北海道から九州まで全国各地からやって来るそう

鈴木さんが外に出て境内を散歩すると、ミー子とたーくんがついてきて寄り添うように一緒に歩く。

昼食に戻って食卓につくと、膝の上にミー子が、他の猫たちは椅子のひじかけに乗るというTwitterなどでおなじみの光景に感動する。

家路の途中、長楽寺と猫たちの日常に直接触れることができた幸せをかみしめながら眺めた西の空、那須の夕日はとても美しかった。

本堂で堂々住職の座に就くミー子

奥は延命地蔵と六地蔵

境内の准胝観音を祀った観音堂は那須三十三所観音霊場第十二番札所

真言宗智山派 小島山金剛院 長楽寺
栃木県那須郡那須町大字寺子丙1404
TEL 0287-72-1089
http://teraneko.jp
Twitter:@nasu_chourakuji
YouTube:那須の長楽寺
TikTok:@nasu_chourakuji
Instagram:nasuno_chourakuji

 
小森正孝(写真・文)
1976年生まれ、愛知県一宮市出身。大阪芸術大学写真学科卒業。同大学副手として研究室勤務。現在フリーカメラマンとして猫撮影を中心に活動。写真集『ねころん』(株式会社KATZ)等。

HP:https://komorimasataka.com/home

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