神様・仏様・お猫様 神社仏閣の猫 第6回

カブキが白ニャン菩薩の前で凛々しい姿を見せてくれた

静岡県の静かな山間に「曹洞宗 渓月山長光寺」がある。

〝副住職〟の「きーさん」がここで 生活するようになって以来、猫のいる寺として檀家さんや参拝客から注目を集めるようになった。住職の柿沼忍昭さんにお話を伺う。

悟りを開いたきーさん、読経の合間の大あくび

「東日本大震災の後、東京の子どもたちが福島の子どもたちを招き、境内で数日間に渡りキャンプをしました。その時、当時の外猫たちのなかでも人懐こいきーさんに、子どもたちが隠れてゴハンをあげていたのです。それ以来、きーさんのお世話をするようになりました。ブラシをかけ汚れを落とすと長毛の綺麗な姿が現れて驚きました」と笑う。

「子どもたちは被災者であり〝守られる存在〟でした。しかしきーさんを見て、彼らの中 に〝守ってあげたい〟という気持ちが生まれたようでした」。

柿沼住職(右)と、猫の世話をする「猫寮行者(ねこりょうあんじゃ)」の池田佳未さん

お寺公認の3匹の猫たちは「雲猫」と呼ばれている。副住職「きーさん」、副住職侍者「カブキ」、 直歳和尚「ソイ」。ほかにも公認一歩前の通い猫が3匹。知客和尚公務中「ヨリ」「マサ」、沙弥「タレ」の 面々だ。

ソイはこう見えて瞑想中かな

マサはちょっと人見知り

タレはまだまだ修行の身

「猫には、自分に正直に生きることを教わりました。猫は間違ったことをしないし、媚びたりしない。行動は気まぐれだけど、すべてに理由がある。そして、猫は〝アクティブな哲学者〟であり〝禅の和尚〟のようでもあります。昨今の猫ブームは、実は猫が悟りを開き、癒しの力を身につけたことで 起きたと私は考えています」と笑顔で語る。

ご本尊・釈迦牟尼如来の隣に鎮座する猫菩薩様が目に飛び込んできた。地域に伝わる「猫おどり伝説」を元に30年程前に「かんなみ猫おどり」が生まれ、ご神体として四国からやってきたという。2年前に魂入れをし、「白ニャン菩薩」として寺に安置されている。

6匹の雲猫と白ニャン菩薩…… 何やら秘密の集会が始まりそうだ。新しい伝説が、今始まる!?

雲猫の縄張りを守る頼もしいソイだが、副住職のきーさんには頭が上がらない

タレの母、ヨリのお気に入りスポット

柿沼住職は全国で個展も開催するなど、アーティストとして活躍していた。境内では住職の手による 石碑や木像が参拝者を楽しませるほか、 住職が描いたお札や暦なども人気だ

曹洞宗渓月山 長光寺
静岡県田方郡函南町畑88-1
TEL 055-974-0534
http://www.chokoji.jp

※御朱印についての問い合わせは受け付けていません

「かんなみ猫おどり」 プロモーションビデオ


白ニャン菩薩は「かんなみ猫おどり」 開催の際は会場に出向きます

小森正孝(写真・文)
Masataka Komori 1976年生まれ、愛知県一宮市出身。大阪芸術大学写真学科卒業。同大学副手として研究室勤務。現在フリーカメラマンとして猫撮影を中心に活動。写真集『ねころん』(株式会社KATZ)等。WEBサイト「にゃんこマガジン」にて「小森正孝のスマホで猫写真」連載中。
https://nyanmaga.com

-猫びより
-

© 2021 TATSUMI PUBLISHING CO.,LTD.