神様・仏様・お猫様 神社仏閣の猫 第10回

境内では藤の花が見ごろを迎えていた

烏山からすやま寺町」は、大正時代、関東大震災からの復興に際し、浅草や築地にあった寺院を移転してできた町で、26ある寺院の一つが乗満寺である。住職の遠藤賢順さんによれば、震災後、寺院だけでなく檀家さんも浅草からリヤカーでやってきたということだ。

門を入るとキジトラのミーちゃん(18歳オス)が出迎えてくれた。「こんにちは、今日はよろしくね」と挨拶をすると、ミャーと返事をしてくれた。

つつじも花盛り、春爛漫

「18年程前にミーちゃんを迎え、8年前にロト(8歳オス)が、今年に入っておもち(生後5ヶ月オス)が家族になりました」と遠藤住職。

「猫は猫の都合で生きていますよね。気ままだなと思いますが、よくよく考えると私たち人間も同じなんだと気づかされます。喜怒哀楽の感情は、相手が誰であれ、自分の心の中で生まれるのですから」とやさしく微笑む。

住職の息子さんも、ミーちゃんと仲良し

境内では近所の子どもたちがミーちゃんと遊んでいた。触っても逃げないので子どもたちには大人気だが「ロトが子猫の頃、ミーちゃんに一生懸命甘えようとしていましたが、ミーちゃんはロトが苦手だったのか、機嫌を悪くしていました。

今では距離を置いて生活していますが、それでも2匹の距離が近付くとミーちゃんは不機嫌になります」。猫同士、いろいろあるらしい。ロトがこちらの様子を窺っていたので近づこうとすると、逃げてしまった。

客殿では住職の妻まりえさんが、おもちを連れて仕事をしていた。おもちは遊んだり寝たり、まりえさんの手伝い(?)をしたり。「猫は猫の都合で生きている」という住職の言葉を思い出し、思わずにやけてしまった。

仕事場で遊ぶおもち、疲れてしまうと、まりえさんの側で寝てしまう

取材が終わり門へ向かうと、ミーちゃんも付いてきてくれた。お別れの挨拶をすると「ご苦労様」というような顔で本堂の方へ戻っていった。おもちの成長した姿を思い浮かべながら、三者三様の猫がいる寺院を後にした。また、会いたいなぁ。

粋な着物姿で参拝客を迎えることもある

陽気がいいと地面が気持ちいい

アザラシ化して眠るミーちゃん

おもちは決まった時間だけ参拝客とふれあう

「本を開くお手伝い」に精が出る

好奇心旺盛なおもちは、目が離せない

得意げなロト。側には獲物が引っ繰り返っていた

住職が手を上げるとミーちゃんがハイタッチで応える

真宗大谷派野条山 乗満寺
東京都世田谷区北烏山7
TEL 03-3300-5139
https://joumanji.tokyo Instagram: joumanji.tokyo
お寺・笑顔活動として「おもちふれあいタイム」を企画、参加志納料(賽銭)は猫の保護団体に寄付される予定です。詳細はHPとInstagramでご確認ください

小森正孝(写真・文)
1976年生まれ、愛知県一宮市出身。大阪芸術大学写真学科卒業。同大学副手として研究室勤務。現在フリーカメラマンとして猫撮影を中心に活動。写真集『ねころん』(株式会社KATZ)等。
HP:https://www.komorimasataka.com/home

-猫びより
-

© 2021 TATSUMI PUBLISHING CO.,LTD.