この世界の片隅で、ネコ。EP:100『ネコメシ』

猫がご飯を食べている姿。なぜあんなに愛らしいのだろうか。

カリッポリッカリッポリッ…。
心地よい音を立てて食す。

ピチャピチャピチャ…。
只の水なのだが小さな舌で懸命に飲んでいる姿。

チュパチュパチュパ…。
仔猫がミルクを飲む音。

愛おしい。

猫の食事は遅い。せわしないニンゲンの世界では何でも「速さ」が求められる昨今。
そんな時代には猫の食事の速度の「遅さ」が「優雅」に思えてくる。
フランス料理のフルコースを食べているかのような速度だ(猫はグルメだし)。

ワンちゃんには失礼だが「犬食い」というと日本では下品なニュアンスとしてとられる。
でも「猫食い」という言葉は聞いた事が無い。

以前、あの故・スティーブ・ジョブス氏の最後の晩餐が

「ねこまんま」

だった事が報じられ驚いた。
…林檎じゃないんだ、と失敬ながら思ってしまった。
最期にねこまんまか…とても小粋に感じ、猫好きな僕は真似しちゃおうと思っている。

猫と食事、なにかと注文の多いグルメな猫たち。
食事内容は頭を悩ませる一つだが、あれこれ考えながら選ぶのもまた、猫を飼う愉しみの一つだ。

あ、宮沢賢治の「注文の多い料理店」に登場するのは「西洋料理店 山猫軒」だっけ。

もう15年ほど前だろうか、とある友人から聞いた話だ。

冬。食卓でおでんを囲んでいた時。火が熱いので窓を開けて食べていたら…。

おでんの良い匂いを嗅ぎつけてきたのだろうか、エアコンの室外機に乗った猫が窓から

「俺にもよこせ~」といわんばかり羨ましそうに(恨めしそうに?)おでんの鍋を凝視していたそうだ。

あまりにも「可愛くて可哀想」すぎた為、家族に迎え入れて

"おでん"

という名前を付けて飼ったそうだ。

それ以来、友人は飼う猫の名前をおでんの具材にしている。

写真・文 横尾健太
Twitter 猫島警部 @nekojimakeibu

熊本市在住。1999年より細々と猫写真を撮り始めて今では太々と猫に浸かる。2016年熊本地震で被災、一時的に東京へ避難。その先で様々な人と猫に癒されお世話になる。「ネコまる大賞」「猫の手帖キャネット大賞」「よみうり写真大賞ファミリー部門季節賞」受賞。使用機材:通常はニコンのD800、旅先はペンタックスのKP、夏はニコンのnikon1 J5。でも機材にこだわりはありません。

プロとはそれで生活できる人だと思うので、アマです。なにもかも脇が甘い性格。写真におけるスタンスは皆無です。猫さまを見ると興奮して「あ、あ、あ」となり何も考えずにシャッター切ってます。「猫を使って金儲け」よりも「金を使って猫儲け」したいな。いろんな猫に出会いたいです。

-猫びより
-

© 2021 TATSUMI PUBLISHING CO.,LTD.