飼い主とともに異国の地へ ~香港移猫 !? 事情~

文・塚碕由香
写真提供・Pet Holidays 寵物假期

雲の上からの景色を眺めながら空の旅を満喫

2020年7月1日香港国家安全維持法が施行されてから、イギリスをはじめ、オーストラリア、カナダなど諸外国が積極的に香港からの移民受け入れに乗り出した。

香港政府が2022年8月に、昨年7月からの1年間の人口統計を発表したところ約12万人の減少がみられ、死亡数や出生数などから約11万3千人余りが海外へ移住したと推定された。コロナが落ち着きをみせた現在、その数字は増加の一途をたどると予測される。

そんな移民問題は、人間だけにとどまらない。特に、コロナ禍の3年間で在宅生活を余儀なくされてきた人々がペットに安らぎを求める傾向にあり、香港でもペットの需要は一気に伸びている。だから、ペット連れで移民する人も増えているのだ。

実は私の友人もそのひとり。聞けば、便利で安心できるからとペット輸送代行業者を利用したらしい。そこで、旅行業のライセンスを有しながら、10年以上ペット輸送代行も行っている「Pet Holidays 寵物假期」の代表ファニーさんに現状を伺った。

コロナ以前の2019年には、年間約千匹余りのペット輸送の利用があり、イギリスが一番多く、カナダやオーストラリア、日本も多いようだ。コロナが落ち着いた現在は、ほぼ毎日出発があり対応が大変だそうだ。

こちらでは、移民先の国に準じた検疫の必要書類、獣医師によるペットの診断と必要な予防接種の実施、出国時の必要書類、規定に則したケージの用意、ペットと飼い主の航空券手配(乗り継ぎがある場合は乗り継ぎ時の必要書類やペットホテル予約も)まで、すべて一括で代行してくれる。

貨物扱いでの搭乗の際はケージで預ける

ちなみに、例えば日本へ飼い主ひとりと手荷物扱いで猫1匹で移民する場合、約2 万香港ドル( 約35万4千円)、貨物扱いで大型犬1匹の場合約4万香港ドル(約70万8千円)ほどかかるそうだ。

豊富な経験から熟知したノウハウで、どんな種類のペットでも、どんな国へも様々な方法を検討して輸送してくれるという。

特に、ニュージーランドやオーストラリアなど動物の輸入に厳しい国は、事前準備に180日以上かかるので、早めに準備を始めなければならない。それを知らなかったために、飼い主の移民期限に間に合わず、ペットだけ香港に残ってしまうケースもよくあるらしい。

プライベートジェットへ飼い主とともに搭乗

また、プライベートジェットで、飼い主とペットが一緒に搭乗することもできるそうだ。ペットをケージに入れておくのは搭乗手続きの間だけで飼い主と一緒に座席で優雅に空の旅を満喫できるというわけ。

何とも贅沢な話だが、実は貨物と一緒に預けて搭乗する場合、気温や気圧の変化、不安によるストレスなどペットの健康に影響を及ぼすことがある。

ふかふかカーペットの機内を自由に歩き回る

特に暑さに弱い短頭種の猫(ペルシャ、ヒマラヤンなど)や犬(パグ、シーズーなど)はそのようなリスクから、常時搭乗不可や季節限定でしか搭乗できない航空会社もあるのだ。

プライベートだから座席の独り占めも余裕

移民する家族の人数やペットの多頭飼いなど安全性と快適さを全体で換算すれば、それほど高くはないのかも。場所や人、ペットの数にもよるが、約15万香港ドル(約265万5千円)からチャーターできる。ツアーのように同じ国へ移民する人たちでシェアしてチャーターする場合も多い。

ペットも家族。みんな一緒に異国の新天地で、自由な未来を描いてほしいものだ。

-猫びより
-