若さと行動力で営む保護猫カフェ 豊川市「tormenta(トルメンタ)」

文・写真 原田佐登美

佐藤店長が優しく抱っこの仕方をレクチャー

商売繁盛の神様として有名な豊川稲荷がある豊川市に初めてできた「保護猫カフェtormenta(トルメンタ)」は、目の前に畑が広がり、大きな窓からは日差しがたっぷり差し込む。猫たちは人懐っこく、お客様の足にすり寄りながら広々とした店内を自由に歩き回っている。

2019 年12月に保護猫カフェをオープンさせた益田凌平オーナーは、なんと2020年3月、大学を卒業する直前に起業したという。

益田オーナー(左)と佐藤店長

幼少期より動物好きで、獣医師を目指していたが、大学入試の面接で動物を安楽死させることもあると知り、急きょ進路変更。経営学部へ進学後、自ら立ち上げたのが、大学内に住み着いた野良猫が起こす問題を解決する「ちゅぶねこ共生プロジェクト」。毎日のエサやりやケガの治療、TNR活動に加え、保護団体やNPO法人との交流も深めていった。

そこで保護したくてもできない現場に直面。資金が確保できて、かつ保護猫を救える手段として保護猫カフェを開設することを決めたそう。同級生で仲が良かったという佐藤店長も「学生時代から頭が良く、意志の強い友人でした」と語る。

窓からは緑豊かな風景が広がる

現在、土日は予約しないと入店できないほどの人気ぶり。オヤツタイムには、手を汚さずに済む可愛いスティックに挟んだちゅ〜るを与えることができる。猫たちに囲まれ、猫もお客様も大喜びの光景だ。

オヤツタイムは猫にも人にも大人気

お客様の中には長期休みが取れたからと4日連続で通ってくれるリピーターさんも。「お客様に、癒されたとか可愛いと喜んでもらえると嬉しいですね。ウチのコたちが一番可愛いという親バカなところがあるので」と笑顔で語る益田オーナー。「自宅で人慣れさせてからお店に連れてくるので、譲渡の時は寂しいけれど、ありがたいです」とも。

カフェの部屋と別にプレイルームもある

保護猫を迎えたい場合は、受付をした後に飼育環境を確かめるお宅調査を実施。合格すると猫とお試しで暮らすトライアル期間を経て、本譲渡へとつながる。

初めて飼った猫の名前が吹雪(ふぶき)だったことから、スペイン語で「吹雪」という意味のtormenta de nieve から、店名をトルメンタに命名。ツイッターをほぼ毎日更新、QRコードで読み込むお店の公式アプリを作ったりと、保護猫たちを知ってもらいお客様を呼び込む様々な工夫を凝らして、保護猫カフェに新たな風を巻き起こしている。

保護猫カフェtormenta
愛知県豊川市大木町中曽根320-2
TEL 0533-81-8359
定休日/月曜
営業時間/10:00~19:00(最終入店は18:00)
https://www.nekocafetormenta.com
Twitter:@neko_tormenta
Instagram:catcafe_tormenta

 

 

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