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コラム

2022/9/23

寄りそう猫「拾った『子猫』は、おばあちゃん」

三毛猫ジャガーちゃんは、7年前、登校途中の姉妹に拾われた「子猫」だった。なのに、今の年齢は……? 「子猫ちゃんがずぶぬれになってる」 小学校に送り出したばかりの娘たちから、キッズ携帯で直子さんに電話がかかってきた。7年前の12月、雨の朝だった。 「すぐ行くから」 車で駆けつけると、傘をさした娘たちが道ばたにしゃがんでいる。 姉娘の膝には、痩せた小さな猫。冷たい雨に打たれたせいで、いっそうみすぼらしげに抱かれていた。 長毛らしき三毛である。だが、猫は、どう見ても子猫ではなく、老猫だった。抱き上げると、ふわっ ...

2022/9/16

寄りそう猫「1+2で、3兄弟」

知子さん提供 「猫たちが仲良くなれなかったら、結婚はなし」そんな同意のもとに、ふたりの猫連れ同居は始まった。 知り合った当時、祐一朗さんと知子さんは、都心にある同じ会社の同じグループで働いていた。仕事の話以外はしたことがなかったふたりの仲は、4年前に急接近する。 きっかけは猫だった。 保護されたばかりの子猫をもらい受けた知子さんが、猫飼いの先輩である祐一朗さんに飼い方の相談に乗ってもらったのだ。 知子さんが飼い始めたのは、おでこと尻尾が黒く、あごと尻尾にちょこんと茶色のある、アキラちゃん。珍しいと言われる ...

2022/9/9

寄りそう猫「母さんは、犬」

種は違っても、誰にも負けない仲良し母娘の、ひめ子とひな子。ふたりが母娘となったきっかけは、ある朝のことだった。 国産天然木の香りが満ち満ちた、広い工房の中で、きょうも、ひな子は、探検に余念がない。 「あれ、ひな子はどこにいった?」と、栄一父さんに問われれば、ひめ子は、すぐさまひな子の元へと誘いざなう。 いつだって、大事な娘の姿は目で追っているから、居場所はちゃんとわかっている。 危ないことをしそうなときは、「ウ〜〜」と唸って、しっかりしつけをして育ててきたから、心配ないのだけど。 視界から姿が消えると、気 ...

2022/9/2

寄りそう猫「ノネコがやってきた!」

物心ついたときから、私の傍らにはいつも猫がいました。 人見知りなくせに、ほっつき歩きが好きで、猫とはすぐに仲良くなれる少女でした。 ずいぶん昔におとなになってからも。 フリーライターという仕事を始めて、いろいろな町々を訪ねることが多くなり、取材後に、その町の商店街や路地裏や漁港などをうろつき、いろいろな猫と出会うのが楽しみになりました。いつしか自己流で写真も撮り始めました。 猫と遊んでいると、近くにいる地元の人が声をかけてくるのです。 「よっぽど猫が好きなんだねえ。その猫はあんまりなつかない子なんだけど」 ...

2022/7/29

猫だって……「それぞれのドラマを生きている」

飼い猫から路地猫に。保護されてからは、いじめのターゲットに。そして、初めての友だち。巨猫マツコさんの一生は、数奇なものでした。 アタシ、マツコ。2年前までは、保護猫ラウンジにいたの。この真っ白な大きな体で、お客さんたちに人気だった。「マダム・マツコ」とも呼ばれていたわ。ラウンジの保護猫の中では、最古参だったっけ。 「マツコさんをわが家に」って申し出てくれる人は何人もいたの。 でも、決まらなかった。なぜなら、アタシをラウンジに託した保護主さんの譲渡条件は、「一匹飼い」だったから。みな先住猫がいるおうちばかり ...

2022/7/21

猫だって……「しあわせになりたい」

大阪の路地裏にある民家カフェ。6年前、そこにたどり着いたのは、一匹の小さな黒猫。今では、看板猫を務めます。 シジミ、ってアタシの名前は、ゆいこさんがつけたの。 ゆいこさんは、大阪の古い町の路地でカフェをやっているの。アタシは、そこの看板猫。「いらっしゃいませ」とまずはご挨拶しといて、お食事中は遠慮するけど、食べ終わった頃を見計らって、ぴょんと膝乗りするのが、アタシ流接待よ。ニンゲンが大好きなの。 7年前、捨てられたアタシがお腹を空かせてたどり着いたとこは、この店の前だった。ガラスの引き戸のすき間から、オレ ...

2022/7/13

猫だって……「やさしい人のそばがいい」

町の人にかわいがられ、外猫として頑張っていたミケちゃん。ある嵐の夜、朝までそばにいてくれたのはやすらぎさんでした。 アタシの名は、ミケ。やすらぎさんがつけてくれたの「穏やかないいお顔してるね」ですって? ふふ、アタシ、今、やすらぎさんにスペシャルマッサージをしてもらってる最中だもの。やすらぎさんの手は、とってもあったかいの。声もいつだってやさしいの。 やすらぎさんと出会ったのは、5年前。アタシがまだ1歳くらいの時よ。当時のアタシは公園を住処にしてて、ご飯をくれる美容室まで毎日通ってた。やすらぎさんのお店は ...

2022/7/6

猫だって……「愛をつないで生きていく」

車の販売店で看板猫を務める仲良し黒猫たち。ニ匹の絆物語の始まりは、拾われた一匹の子犬からでした。 アタシ、ナデシコ。相棒は、同じ黒猫で2年上のヤマト。新車と中古車の販売店の、箱入り息子と箱入り娘なの。 アタシたち、事務所にご来店のお客さまには、カウンターから「いらっしゃいませ」をするし、お買い替えのご相談には、ソファーの脇で立ち会うのよ。 そっくりで見分けがつかないって言われるけど、よく見れば、ヤマトはアタシより大きくて精悍な顔つきをしてるってわかるはずよ。 店内に飾ってある写真の子犬は、「ブーちゃん」。 ...

2022/6/9

猫だって……「約束を守り続ける」

「猫を飼いたい」それが、ワタルさんの最後のわがまま。そして、迎えられたのは、沖縄からやってきた女の子でした。 わたしの名は「しずか」。「うんとかわいらしい名前にしよう」って、ドラえもんのマドンナ「しずかちゃん」と同じ名をつけてもらってから18年半。お父さんもお母さんも、私のこと、とっても大事にしてくれるわ。 わたしね、今も、お兄ちゃんがこの家にいるみたいな気がするの。 お兄ちゃんが「末期がん」と宣告されたのは、まだ21歳の時だった。お父さんとお母さんは、残された日々を悔いなく過ごさせてやろうと考えて、願い ...

2022/6/9

猫だって……「最後まで人を信じてる」

路上に倒れた猫が見つめていたのは、「生」というほんのかすかな明るみ。そして、やさしい手が……。 ボクは、ママが大好きだ。一日に何度も「抱っこ、抱っこ」とせがんで、胸に顔を埋める。下ろされそうになると「いや、いや、いや」としがみつく。 また、リオのやつ、ママに甘えてらあ。大きななりして。ママもリオに甘いんだから」 ナッツたちが呆れた目で見ていても、やめられない。 だって、ここは、ボクがやっと見つけた安住の場所。ママのやさしいハートの一番近くにいつもいたいんだ。 ボクは、ママのそばで、「生き直し」を始めたばか ...

2022/6/9

猫だって……「ワイルドを楽しみたい!」

牧場暮らしのネコ助くん。育ての親はドーベルマンで、馬も友達。日々、牧場を駆け回り、ワイルドさに磨きがかかります。 オレの名は、ネコ助。安直につけられた感じがしないでもないけど、恩人の父ちゃんと母ちゃんがつけた名前だし、自由猫のオレにぴったりの飄々とした名前かと、最近はそこそこ気に入っている。 今でこそ、「都会ではとんと見かけないワイルドな顔つき」とよく言われるオレだけど、3年半前には、「助けてよー。カラスが怖いよお」って、妹といっしょに弱々しく泣いてたチビだったんだ。 オレたち兄妹は、まだ目も開いてない頃 ...

2022/6/9

猫だって……「穏やかに年をとりたい」

ウギャーちゃんは、後期高齢猫。外猫時代の事故のため、満身創痍だけど、やさしい人のそばで穏やかに年老いていきます。 こうして毎日、ぬくぬくして部屋ん中で暮らしているけどさ、あたしゃ、外猫生活がうんと長かったの。 そうねえ、12年以上は外で暮らしたかしらね。いろんな人に情けをかけてもらって生きてきた。ご飯もいろんな人がくれたし、冬の寒い夜は、泊まらせてくれる家もあってね。この町では邪険にする人もいなかったよ。ノラをやるには、いい町だったねえ。 4年前のあの暑かった日は、駐車中の車の下でうっかり寝入っててね、動 ...

2022/5/27

猫だって……「秘密をもっている」

路地にある喫茶店で看板猫を務める黒猫ネロくん。じつは、彼には、6つの秘密があるのです。 ボクのおうちは、路地で喫茶店をやっているんだ。喫茶店のママは、ボクのママのミキコさん。ミキコさんのお父さんは昔、ここで小さな鋳物工場をしてて、その片隅に、ミキコさんは喫茶店を作ったんだ。お仕事を終えた人たちが、珈琲を飲みながら、くつろげるようにって。 初めて入ってきたお客さんとでも気さくにおしゃべりするミキコさんの、誰も知らない秘密を、ボク、知っているよ。 ミキコさんは、ほんとは、ものすごーく人見知りで恥ずかしがり屋な ...

2022/5/25

猫だって……「郷に入らば郷に従う」

気ままなフーテン暮らしを謳歌していた大猫ゴンちゃんがついに保護。はたして、すんなりと家猫になれるのか……。 ずっとおひとり様の自由生活を楽しんでたこのオレが家猫になるなんて、思ってもいなかったぜ。ついこの前までは。 縄張り争いに負けることのなかった大猫のオレが、より快適なねぐらを求めて、この町に流れてきたのは、2年前の春の終わりのことだった。スーパーの前庭に木陰とベンチと草むらがあって、すっかりそこが気に入ったんだ。オレ、風に吹かれてるのが好きなんだ。 いつのまにか「ゴン」って名がついてた。「ゴンちゃん」 ...

2022/5/19

猫だって……「十猫十色」

珈琲豆店の小太朗くんとチャイくんは保護猫同士。冷静沈着な兄貴分とやんちゃな弟分。いいコンビです。 ボク、チャイ。母さんは、「ヤギコヤ」っていう小さな珈琲豆店をやってるんだ。 小太朗って名の兄ちゃんとお店の2階に住んでるんだけど、ときどき母さんに「コタロー、チャイー、降りといでー」って下から呼ばれるの。猫好きのお客さんが来てる時なんだ。 「きれいな猫さん」「物静かで賢そう」って言われるのは、小太朗兄ちゃん。ボクは「どうしてお目目がそんなにピカピカなの」「いつまでも仔猫みたいだね」って言われる。兄ちゃんが5歳 ...

2022/5/13

猫だって……「さびしさをこらえる時もある」

田んぼに囲まれた丘の上にある美術館には、猫がいっぱい。通い猫である虎之介くんには、こんな思い出が……。 ボク、美術館の通い猫、虎之介。週末の美術館の開館日だけ、絵描きのママの車で出勤してるんだ。 10月のある土曜日、いつものように、お庭でカマキリをおちょくったり、マツボックリ集めをしたり、木登りしたりしてひとり遊びしていたら、キャリーケースを下げた人がやってくるのが見えたんだ。 美術館でいちばん古株のミー姐ねえさんとボクは、すぐに駆けつけた。だって、キャリーからは、知らない猫の匂いがしたんだもん。 やっぱ ...

2022/5/6

猫だって……「みんなの笑顔がうれしい」

靴箱に入れられて捨てられていたニケくん。今では、ママといっしょに預かり仔猫を育てたり、訪問セラピーで大忙し。 今日は、ボクのお仕事の日。家を出る前に、ママにリードを着けてもらうと、スイッチオンになるんだ。 今日の行き先は、介護付き有料老人ホーム。何回も行ってるから、もうおなじみの訪問先だよ。 ママは、CAPPっていうアニマルセラピー活動に参加してるから、こうやって介護施設や児童施設なんかへの慰問活動にボクを連れて行くんだよ。 ボク、お出かけが大好き。ニンゲンも大好き。小さい時からリリ先輩の慰問活動を見学し ...

2022/4/28

猫だって……「ありのまま愛されたい」

photo: 楓papa サビ猫の楓ちゃんは、自転車置き場暮らしから、保護猫カフェへ。ひっそりとケージの中にいる楓ちゃんの写真に一目ぼれをしたのは……。 photo: キャットラウンジME アタシ、楓。 2歳くらいまで、駅の裏の自転車置き場の陰をうろついて、夜は自転車のカゴの中で寝てた。歩く時、ちょっと体が揺れるの。 「お外で暮らすのは、この子には酷すぎる」って、ボランティアの人が、保護猫ラウンジに里親探しを頼んでくれたの。 そんなアタシの写真をラウンジのホームページでたまたま見て、「かわいい……」ってた ...

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