路上に倒れた猫が見つめていたのは、「生」というほんのかすかな明るみ。そして、やさしい手が……。 ボクは、ママが大好きだ。一日に何度も「抱っこ、抱っこ」とせがんで、胸に顔を埋める。下ろされそうになると「いや、いや、いや」としがみつく。 また、リオのやつ、ママに甘えてらあ。大きななりして。ママもリオに甘いんだから」 ナッツたちが呆れた目で見ていても、やめられない。 だって、ここは、ボクがやっと見つけた安住の場所。ママのやさしいハートの一番近くにいつもいたいんだ。 ボクは、ママのそばで、「生き直し」を始めたばか ...