「背番号8」 春になって突如現れた猫。 満開の桜の下、不思議そうに舞い散る花びらを見つめている。人が近づいても物怖じせず、触っても逃げない。 おそらく捨て猫だ。 何も知らない、そんな無垢な表情を浮かべて花びらを追いかける捨て猫。 幸い、桜の木の向かいに住むBさんの家で飼うことになった。 名前はハチ。 背中に"8"に似た模様がある事と、末広がりの八で幸せになってほしいから。 ところが"ハチ"は猫を被っていた。 地域の猫達に喧嘩を売りまくる……あの無垢な表情はなんだったのか。毎日傷だらけで帰ってきて日に日にボ ...