この世界の片隅に、ネコ。

2021/2/4

この世界の片隅で、ネコ。EP:115『理由』

近年はデジタル化で写真が気軽に撮れる様になった。それでも猫の写真を撮っていると珍しがられることがよくある。 「なんで猫なんか?」と言われる。 まあ「ああ、岩合さんね」と言って理解してくれる事も多いが。 なぜ猫の写真を撮るか、理由は人それぞれだろう。単純にかわいいからとか、誰かに見せたいからとか…。   自分としては…初めて飼った猫の面影を追いかけている、とでも言おうか。 「みちのく」と名付けたその猫、もう亡くなって20年以上経つが、いまだに忘れられない。 彼女の写真は17枚しかない、もっと撮るべ ...

2021/2/4

この世界の片隅で、ネコ。EP:113『ネコ語の教科書』

猫に話しかける時、何を話していますか。 ………。 こう一文を書いた瞬間、笑ってしまった。 猫好き、特に動物好きじゃない方は馬の耳に念仏とばかり猫に話しかける人間を奇異の目で見るかもしれない。 猫が人間の言葉を理解す出来るハズがないじゃないか、と。 そう言われるのがオチだ。だけどだけど…。 だけど通じるんです!   ノリに「おまえブサイクだな」と言ったら仏頂面された。 ほんとの事…いや、なんでもないです。   ボスに「おまえ、今日はイケてるな」と言ったらゴキゲンになった。 証拠に尻尾がピ ...

2019/7/19

この世界の片隅で、ネコ。EP:74「首輪物語」

赤、青、黒、鈴つき、鈴なし…、猫の首輪にはたくさんの種類がある。黒猫に赤い首輪の組み合わせが個人的に好みだ。あ、白猫に黒い首輪もいいかな…。 そんな風に人それぞれ、猫それぞれ(?)、首輪にはなんだか個性が表れる。 とあるデザイナーさんが飼ってらっしゃる猫、グリちゃんはとても、いや、とてつもなく大きな体をゆすって歩く巨猫。 ほぼ同い歳のワンちゃんと一緒に育った猫で性格は狂暴、まるで土佐犬ならぬ土佐猫だ。 こう書くとワンちゃんも狂暴な性格なのかと思われるが、優しくてとても穏やかな性格だ。なぜグリちゃんが狂暴に ...

2019/7/19

この世界の片隅で、ネコEP:73「わからない」

僕の好きなシチエ―ションがある。それは猫と人が触れ合っている時だ。ある時はじゃれ合い、ある時は引っ掻き回され、そして一緒に眠る。 ああ、いいなあ、と思う瞬間だ。猫と人の関係。 そのなかでも特に思い出すシチエ―ションがあった。 坂道の手前に気の荒い猫がいた。(なぜ知っているかって?実際に引っ掻かれたからです…) ある日、白杖を持った目の不自由な方が介添え人と一緒にその猫を撫でていた。引っ掻かないか心配だ…。 その方の猫を撫でる手つきはたどたどしくも、まるで宝物を扱うように大事に大事に撫でていた。 その猫はじ ...

2019/7/10

この世界の片隅で、ネコ。EP:70「兄妹」

とある公園に兄妹とおぼしき猫がいた。兄も妹も特徴的な顔をしている。漫画に出てきそうな顔立ちだ。だから兄を「ドラオ」、妹を「ドラミ」と勝手に名付けた。 この兄妹、妹のほうが常にイニシアチブをとって行動しており兄は妹の後ろをついてまわっていた。 ドラミは好奇心旺盛で何にでも興味を示す。飛んでる虫をジャンプしてつかまえたり、空地を訳もなく走り回ったり…。 逆にドラオは妹とは正反対の性格でどちらかというと内向きな性格。見慣れない猫が来ると妹の背に隠れる…。 ドラミはもてる。 公園にやって来る猫たちのマドンナ的な存 ...

2019/7/3

この世界の片隅で、ネコ。EP:67「雨の匂い」

その日は雨が降ったりやんだり。空を見上げればどんよりした雲が近づいてきた。 雨の匂いがする。なにか湿った土のようなあの匂い、大地の匂いだ。 ああ、これはまた降ってきそうだ。どこかで雨宿りしなければ。ちょうど古い神社がすぐ近くにある。 神社へ入ろうとすると…あ、"主"がいる。 主は神社を縄張りにする茶トラ猫だ。 顔を洗っている…ほほう、確かに「おいでおいで」している様に見える。 つまり豪徳寺の招き猫だ。井伊直孝もそれは勘違いしてしまうだろうね。 曇り空からポツリポツリと雨粒が落ちてきた。 主のお招きを受けて ...

2019/3/15

この世界の片隅で、ネコ。EP:61「世話焼きばあちゃん」

「世話焼きばあちゃん」 陽気なチャトラばあちゃんは地区の人気者。 ずいぶん歳の離れたボス猫に求婚されたこともあるほど。人間が見るとフツーの猫、だけど彼女の人気の秘密はなんだろう。 人懐っこいのは人懐っこいが50cmを超えて接近すると逃げてしまう。逃げる時、後ろを向くがその時に見えるボブテイルはたしかにカワイイ。 猫なつっこい(?)のも猫なつっこい。喧嘩をしている所なんて見た事ない。世話焼きで地区のもめごとの仲裁役をかって出てるようで猫望(?)もあつい。 きっと、チャトラばあちゃんは「みんなの」ばあちゃんな ...

2019/3/1

この世界の片隅で、ネコ。EP:58「プールスコート通りのみつお」

「プールスコート通りのみつお」 繁華街から一本入ったプールスコート通り。ここに"四ツ目饅頭"いう老舗和菓子店があった。 地域猫を世話されており様々な猫たちが集まっていた。 その中に特徴的な黒猫がいた。名を「みつお」と呼ぶ。 体の割に顔が大きくいかにも強そうな容貌(陰では「黒毛和牛」とも呼ばれてたらしい)。積極的にパトロールし地域の人々にとても可愛がられていた。 ネズミも良く採ったそうで飲食店が多い地域ゆえ、皆、助かったそうだ。 2012年。衝撃のニュースが飛び込んできた。みつおがお菓子にされるというのだ! ...

2019/2/26

この世界の片隅で、ネコ。EP:57「キノボリスト」

「キノボリスト」 無謀とも思える程、高い木に登りまくる猫がいる。 まだ1歳にもなってないのだが大人顔負けの木登り技術。本能の赴くままに木に登っているのだろう、すごい勢いで頂点まで登る。 降りれなくなる事は今までなかったが、それに近い事は度々あった。見ていてハラハラ…。 登山家を"アルピニスト"と呼ぶが、"アルプス"のような高い技術を必要とする山に登る事から来ているという。 なら彼は"キノボリスト"だろうか。 そんなキノボリストがある日、巨大な楠木に挑んだ。挑んだというより一瞬にして昇りつめた。 "登"とい ...

2019/2/22

この世界の片隅で、ネコ。EP:56「生きている」

「生きている」 なんでも一生懸命な猫がいる。チャトラン。 顔に"がんばって生きてます"と書いてあるようで、鋭い目が印象的だ。 地域猫なのだがボランティアさんが餌やりに来てもあまり姿を見せない。 だけど人間に心を閉ざしている訳ではなく、むしろ人懐っこい。もしかしたら自活してるのかも…ネズミとか採ったりして。 そのへんも"がんばってる"感がある。 「あの子は前のボランティアさんに餌の横取りをひどく怒られてねぇ」 それで来なくなったそうだ。あのチャトランが横取りかぁ。それで自活するようになったかは定かではないが ...

2019/2/8

この世界の片隅で、ネコ。EP:52「男と女」

「男と女」 竹馬の友とはよく言ったもので、子猫時代にベッタリな2匹の猫がいた。 キノボリとヤンミケ。姉弟ではないが親が友達同士なので自然といつも一緒だ。 もうほとんど姉弟の様なものだろう。 子猫の好奇心は旺盛で石ころでサッカーみたいな事をしたり虫を捕まえては一緒に遊んでいる。とても仲睦まじくて、見ているこちらも思わず笑顔になる。 そして一年弱が経ち恋の季節。 キノボリもヤンミケも少し早いが例外ではない。僕は期待をこめて二匹がカップルになればいいなぁと思っていた。 しかしヤンミケは歳の離れた地区一番のイケメ ...

2019/2/1

この世界の片隅で、ネコ。EP:50「法事」

「法事」 梅が好きだった猫。 その名もウメさんが梅の木の下に埋葬され、それから数えて6回、梅が咲いた。 地震にも台風にも害虫にも猛暑にも耐えて毎年、2月になると美しく咲く。 もう6年も前だ、ウメさんの事を知る猫はミケばあちゃん以外いなくなってしまった。そのミケばあちゃんも最近、姿を見かけないので心配していた。 この梅の辺りにはなぜか猫がよくやってくる、陽当たりの良い場所にある事もあるが。 2月の暖かい日和、綺麗に咲いた梅の下で居眠りできる。 皆から慕われていたウメばあさんが埋まっている梅だ。人気があるのも ...

2019/1/17

この世界の片隅で、ネコ。EP:45「ひょっこりにゃん」

「ひょっこりにゃん」 『深淵を覗き込むとき、深淵もまたこちら側を覗き込んでいるのだ』 という有名な言葉がある。これはまさに猫にピッタリあてはまる。 ネコの写真を撮っていると、ふとした時に視線を感じる事がある。 そんな時、そちらを向くと… 「チラッ」 と見知らぬネコと目が合う。大体、塀越しに見られていたことが多い。 「ジーッ」 と見つめ合ってはいけない。手を添えてこちらを観察していたネコは凝視されると 「ヒョイッ」 と塀の下に引っ込んでしまうのだ…。恥ずかしがり屋さんめ! ある日、やはり視線を感じた。チラッ ...

2018/12/12

この世界の片隅で、ネコ。EP:36「シンボル」

「シンボル」 しゃちほこのような猫がいた。 というかしゃちほこそのもの。 あるお宅の玄関の上に鎮座して…何をしているんだろう。 監視かな。 まるでそれが使命とでも言っているかの如く、今日も座っている。休憩時間には陽当たりのいい屋根に移動して友達と遊んでいる。だいたい玄関か屋根の上にいるので地上に降りる事が少ない。 彼は身だしなみに厳しい。細目に毛繕いをするので毛ヅヤがとても良い。ちょっと過剰なぐらいの清潔好き。なんというか、ホテルのベルボーイを思い起こさせる。 色々興味がわいてこのお宅のおばさんに聞いてみ ...

2018/11/28

この世界の片隅で、ネコ。EP:33「子供の記憶」

「子供の記憶」 子供の頃の記憶。 入学式、夏休みの宿題、ラジオ体操、給食…そして初恋。色々思い浮かぶ。 だけど"子供"の頃から数十年たってみると忙しい日々に忙殺され「そんなこともあったなぁ」の一言。唯一、写真だけがそれを記録しているのみかもしれない。 猫の場合も子供の頃の記憶は「そんなこともあったなぁ」なのか。 幼馴染であるレイジくん(オス)とチャーちゃん(メス)。多くいる同年産まれの仔猫の中でこの2匹の絆は固かった。 何をするにも一緒でとても仲が良く微笑ましい。なぜそうなったかはわからないが…。 レイジ ...

2018/10/5

この世界の片隅で、ネコ。EP:19「お姫様」

「お姫様」 姫ちゃんはカワイイ。 名前通りお"姫"さまでとても素敵な子だ。残念ながら歳は姫とはいかず、かなりのお年寄りらしいが…。 それに歳によらず行動範囲が広い。いろんな場所で目撃されている。 というのも彼女は"おてんば姫"でもあり、しょっちゅう飼い主さん宅から脱走するとか。 「ひめさまー、ひめさまー」 この近辺ではいろんな人が彼女を探すが、機嫌を損なわないように「様」をつけるという。 だけどだいたいすぐ見つかる。とある家のあたりを探せばほぼ、いるという。 そこは姫ちゃんの産まれた家。元の飼い主さんの家 ...

2018/9/19

この世界の片隅で、ネコ。EP:14「ブサカワな猫、ノリ」

「ブサカワな猫、ノリ」 ノリという名の猫。 しかしノリはノリなのだがノリではないのだ。 ある所では「くぅ~ちゃん」と呼ばたり別の場所では「ピ~ちゃん」と呼ばれてる。 ほら、外猫が色んな家を行き来して各々名前が違うという、アレ。 でも一貫してるのはこの緊張感の無い名前。 そんな猫なのだ。 牛のような性格でなんでものんびり。 牧場で牛と一緒に草を食んでいても少しも不思議じゃない。 けどノリを怒らせた事が一度だけある。 背中を撫でたりして遊んでいた時。 「おまえブサイクだなぁ」 おもわず口をついた。 するとどう ...

2018/9/14

この世界の片隅で、ネコ。EP:13「猫は人につく」

「猫は人につく」 下町の商店街のはずれにある小さな公園。 買い物を終えた人が休憩にやってくる。 そこにそれはそれはかわいい三毛猫がいた。 人慣れしてて子供にも優しい。 理想の猫だ。 特にミケちゃんを可愛がっているおばあさんがいた。 毎日やってきてはご飯をあげ公園を掃除する。 孫娘のようなもんだよ、そう言って愛おしそうにミケちゃんを抱きしめる。 大雨の日、さすがに今日はおばあさん来てないだろうな、と思っていたらいつも通りに公園にいた。 そんな微笑ましい関係がしばらく続いた。 そして数年が経った。 ある日、お ...

© 2021 猫びよりプラス│ちょっとお洒落な大人のねこマガジン