「男と女」
竹馬の友とはよく言ったもので、子猫時代にベッタリな2匹の猫がいた。
キノボリとヤンミケ。姉弟ではないが親が友達同士なので自然といつも一緒だ。
もうほとんど姉弟の様なものだろう。
子猫の好奇心は旺盛で石ころでサッカーみたいな事をしたり虫を捕まえては一緒に遊んでいる。とても仲睦まじくて、見ているこちらも思わず笑顔になる。
そして一年弱が経ち恋の季節。
キノボリもヤンミケも少し早いが例外ではない。僕は期待をこめて二匹がカップルになればいいなぁと思っていた。
しかしヤンミケは歳の離れた地区一番のイケメンに恋をした。
キノボリはどう思ったろうか。
まあ結局モテモテだったイケメンからふられてしまうのだが。
だけど2匹の関係がぎくしゃくする事はなかった。やはり日がな一日一緒に遊んでいる。
どうだろう、二人は男女という壁なんて微塵も感じていないのかも。
竹馬の友だ、愛情より友情が勝った。驚くべきことだ、人間ではあまりない。
そしてキノボリは少し年上のチャトラと結ばれた。3匹生れてかわいい子猫。驚くべき事にヤンミケが子育てに協力している。姉弟みたいな関係だ。
つまりヤンミケは子供たちにとって叔母さんがわり。ヤンミケ、まるで我が子の様に可愛がり幸せそうだった。
僕ら人間は血縁に様々なしがらみがある、が猫は自由だ。そもそも血の繋がりとは何だろう。ヤンミケが子猫たちを毛繕いしている。
ああ、ほっとする。
僕らは猫から学ぶことは沢山あるようだ。
text&photo/Kenta Yokoo