猫びより

この世界の片隅で、ネコ。EP:58「プールスコート通りのみつお」

2019/03/03

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「プールスコート通りのみつお」

繁華街から一本入ったプールスコート通り。ここに”四ツ目饅頭”いう老舗和菓子店があった。

地域猫を世話されており様々な猫たちが集まっていた。

その中に特徴的な黒猫がいた。名を「みつお」と呼ぶ。

体の割に顔が大きくいかにも強そうな容貌(陰では「黒毛和牛」とも呼ばれてたらしい)。積極的にパトロールし地域の人々にとても可愛がられていた。

ネズミも良く採ったそうで飲食店が多い地域ゆえ、皆、助かったそうだ。

2012年。衝撃のニュースが飛び込んできた。みつおがお菓子にされるというのだ!

その名も「みつおのおっぽ」。以下は口上より。

『熊本プールスコート通りの人気地域猫のみつお君。みつおのおっぽはだんごのしっぽ。
どらやきをそのおっぽに見立てました。みつお君に会えたらいいことあるかも!?』

地域猫が商品化されるのはとても珍しいことなのではないか。それだけ皆に愛されていた。

2014年。残念ながら四ツ目饅頭は閉店、107年の歴史に幕をおろした。

みつおは店の方に引き取られ家猫として1年を過ごし、虹の橋を渡った。享年八歳。

お店で猫の話題に花が咲いていた時。なぜ”みつお”と名付けたのか聞いてみたことがある。

おかみさんは

「漢字で書くと”蜜男”です。和菓子だけにね」

と微笑みながら教えてくれた。

※四ツ目饅頭は2017年に移転して営業再開されました。

text&photo/Kenta Yokoo