夜の公園でボール代わりに蹴られていた豆ちゃん。救ってくれたのは、通りかかった伸子さんだった。 豆ちゃんは、4歳の茶白の雄猫。伸子さんとのふたり暮らしだ。 豆ちゃんの苦手なものは、外を通る男の子の元気な声や、サイレンや、工事の音や、ビニール袋のカシャカシャ音。 だいぶ落ちついてきたけれど、やってきたばかりのときは、苦手な音がするたびに、パニックになって、ガタガタ震えだしたものだ。 今でも、キャリーに入れようとすると、口から泡を吹くほど怖がるので、動物病院にも連れていけない。 そんな豆ちゃんと伸子さんが出遭っ ...