イザというとき…
あなたは愛猫を守れますか?
「ペットの防災」と聞いて、何を思い浮かべますか? どんなグッズを揃えればいいのかな……と思う方がほとんどではないでしょうか。
しかし、もし災害発生時に飼い主さんが外出していれば、家にどれだけグッズを揃えていようが、すぐには役に立ちません。たくさんモノを用意しても、避難時にはそれほど多くは持ち出せません。猫を抱えて飛び出すだけで精一杯のこともあります。
そう、実際に災害に遭ったことのない人は、防災へのイメージがしづらいのです。ですから備えも曖昧になりがち。今回は、猫と暮らす人がやっておくべき基本の防災を紹介します。これを機に、ぜひ愛猫を守るための「あなたの防災」を始めてください。
●最優先で持ち出すもの●
①キャリーバッグ
●ショルダー型
猫と人の体が密着するので、人にベッタリな猫だと安心できるという長所が。両手もフリーにできます。ただし暴れる猫は入れにくいです。
●リュック型
運びやすく両手をフリーにできるのが長所。キャリーをリュック型にする場合は非常用持ち出し品をリュック以外のバックに。
●クレート型
頑丈で衝撃に強いのが特長。やや持ち運びづらいので、肩掛け用のベルトがあると◎。上からも開けられるタイプだと猫を入れやすいです。
②キャットフード
●ウエットフード
水分を一緒に摂れるのがメリット。猫がなりやすい尿石症などの下部尿路疾患の予防にもなります。缶詰よりパウチのほうが軽くゴミの処分もしやすいです。
●ドライフード
軽くて栄養価が高く、賞味期限も長いため災害時に最適。いつもと同じフードを用意して。
●猫用おやつで食欲アップ
いつもと違う環境で猫が食事に口をつけないことを考えて、嗜好性の高いおやつも用意しておくと◎。猫は丸一日以上絶食すると肝臓の病気を起こすことがあるので要注意。
③持病の薬
薬や療法食は必須。被災後、かかりつけの動物病院ですぐに入手できないことも考え、薬品名等がわかるようスマホに画像を残して。投薬のために必要なシリンジなども用意。
●ローリングストック法とは
フードなどの消耗品を災害用に用意すると、いつの間にか賞味期限が切れていることが多いもの。普段から多めに用意しておき、日常のなかで消費しながら新しく買い足していくのが「ローリングストック法」です。これならフードを無駄にすることなく、災害への備えができます。ぜひ実践して。
●できれば持ち出すモノ●
①愛猫の写真
●猫が迷子になったときに必須
顔、全身、柄、しっぽ、首輪の色などがわかる写真を用意しましょう。1枚で全部わからなければ複数枚用意して。
●飼い主さんとの写真もあると証明になる
迷子になった猫がどこかに保護された場合、猫を引き取るために「自分が確かに飼い主である」という証明があると便利。そのため猫と一緒に写った写真も用意しておくとよいでしょう。
上記の写真を、プリントのほかにスマホにも保存しておくのがおすすめ。「災害時、とっさに飛び出し持っていたのはスマホだけだった」という人も多いのです。
②愛猫の健康手帳
●猫をあずける場合に必須
(メモしておくこと)
・飼い主の情報
・病歴
・健康状態
・かかりつけの動物病院
アニマルシェルターや動物病院に猫のお世話をお願いする場合もあるかもしれません。愛猫を知らない人にお世話方法を伝えるためには愛猫のデータが必須です。健康状態のほか、ワクチンの履歴、病歴などをメモしたものを作りましょう。
●代用可能なモノ●
猫トイレの容器は、非常時にも入手しやすい段ボールやポリ袋で作ることができます。つまり代用可能なので優先的に持ち出す必要はないということ。トイレ砂やケージも重たいので、持ち出すとしても落ち着いてからで十分。は
じめに持ち出すモノからは外しましょう。
フード皿や飲み水用の皿も、もちろんあれば便利ですが、新聞紙やペットボトルで手作りすることが可能。こうした加工をするために大きめのカッターやガムテープを用意しておくと便利です。
フード皿や水皿は手作りできる
●ペットボトルを切った皿
●牛乳パックで作った皿
●新聞紙で作った皿
紙を折って箱のような形状にしたり、牛乳パックやペットボトルを切るだけで皿ができます。ケガしないようにペットボトルを切ったフチはテープで覆いましょう。ウエットフードを乗せると皿が汚れますが、洗うための水が不足するため、皿の上に食品用ラップを敷いて使用すると◎。こうしたテクニックは人間にも使えます。
*ラップを使用する際は猫が誤食しないよう注意してください。
即席 猫トイレの作り方
●段ボールをポリ袋で覆って即席トイレ
段ボール箱のフチを猫がまたげる高さに切り、オシッコがしみないようポリ袋で覆います。段ボールがなければポリ袋のフチを折り曲げただけのものでもOK。
●トイレ砂は、新聞紙をちぎったものや土・砂でも
新聞紙を細かくちぎったものや、花壇などにある土や砂を入れます。猫の排泄物で汚れた部分はその都度取り除きま
す。あれば底にペットシーツを敷いても。
●いつものトイレ砂が少量あると排泄しやすい
いつものトイレ砂を新聞紙や土の上に撒くと、猫が「ここはトイレ」と認識しやすくなります。
決定版
猫と一緒に生き残る 防災BOOK
(いちばん役立つペットシリーズ)