本殿にたたずむさら 長野県の中央部を南北に走り、古来、上田・長野盆地と松本・諏訪盆地を分かつ交通の障壁となってきた筑摩山地。その峰々の一つ、修那羅峠の近くに、石神仏に囲まれた不思議な神社がある。1860年創建の修那羅山安宮神社だ。 猫がいると聞いて訪れたのはまだ雪深い2月の終わりのこと。人里離れて山中に分け入る道中は心細かったが、標高1037mの本殿に着くと、雪の中で仲良く遊ぶ3匹の猫に心が躍った。厳しい寒さに負けないどころか、冬を楽しむかのような様子に疲れが吹き飛んだ。 春になって再び神社を目指して山に ...