取材・原田佐登美

番台の後ろがこまちゃんの定位置
昭島市は東京都において唯一、地下水を水道水源としている自治体。多摩川の長年の作用により、水を通し貯める砂利層が厚く形成されているため、豊富な地下水が蓄えられている。その滑らかな深層水を昔ながらの薪で沸かしているのが、創業63年の昭和湯。5月にはショウブの葉、12月にはユズが浮かぶ湯が楽しめるサービスも。3代目店主の宮前修(おさむ)さんとともに、こまちゃん(4歳♀)が看板猫を務めている。
宮前さんに溺愛された先々代の看板猫クロちゃん(猫びより2016年3月号掲載)は、薪を焚く釜で暖を取っていたが、完全室内飼いのこまちゃんお気に入りの場所は、番台の後ろにある小さな棚。大好きな宮前さんの後ろで安心しながらお客様を迎えている。

お客さんは、優しいご主人と奥様にも癒されるという
こまちゃんは、知り合いのおばあちゃんがお世話をしていた母猫から生まれた子猫だった。おばあちゃんが入院してしまい、なんとかせねばと近隣の人が捕獲した。

こまちゃんファンが制作したポスターが貼られる脱衣所
おっとりしていた生後2ヶ月頃のこまちゃんは、のんびりゴハンを食べていたところを兄妹の中で一番最初に保護されたそう。

子供の頃から昭和湯に通う猫好きの常連客
SNSで昭和湯のPRをしている広報担当さんは、実は常連のお客さん。
〝こまちゃん推し〟でイラストを描いてくれたり、立派なポスターや雑貨制作まで手がけている。よほどの猫好きさんなのかと思えば、にゃんと実は犬派だそう。

開店前に、ちょっと一休み(写真提供・昭和湯)
時々こまちゃんは定位置の棚から移動して、ロビーに置いてあるケージの猫ベッドでくつろいでいる。そんな時は、お客さんがなでなでしたり、こまちゃんに話しかけたりしていくという。滑らかな銭湯のお湯と可愛い猫に、一日の疲れが癒されることうけあいだ。

煙突と薪が懐かしい昭和湯
昭和湯
◉東京都昭島市玉川町4-3-7
◉TEL 042-541-3122
◉営業時間/15:00〜22:00
◉定休日/月・木・金曜
◉X(Twitter):@akishimashowayu
◉Instagram:akishimashowayu