飼い猫から路地猫に。保護されてからは、いじめのターゲットに。そして、初めての友だち。巨猫マツコさんの一生は、数奇なものでした。 アタシ、マツコ。2年前までは、保護猫ラウンジにいたの。この真っ白な大きな体で、お客さんたちに人気だった。「マダム・マツコ」とも呼ばれていたわ。ラウンジの保護猫の中では、最古参だったっけ。 「マツコさんをわが家に」って申し出てくれる人は何人もいたの。 でも、決まらなかった。なぜなら、アタシをラウンジに託した保護主さんの譲渡条件は、「一匹飼い」だったから。みな先住猫がいるおうちばかり ...