文・写真 堀晶代 ワインの酩醸地が連なる中央ロワール地方のプイィ・シュル・ロワール村で、400年以上も続くブドウ栽培農家の12代目がアニック・ティネル・ブロンデルさん。先代の父が始めたワイン造りを1983年に引き継いだ。女性がワイナリーの当主になることは珍しい時代で、その頃から一緒に暮らし始めた猫がフリブイユ(♂)だ。 「両親も猫が好きでしたが、『自分の猫』として世話したのは初めてで。2ヶ月も経たないうちに、猫という小さくて柔らかく温かな生き物に、すっかりハートの真ん中を射抜かれていました」 16年間生活 ...