リード(紐)を付けた猫を見かける。室内飼いの子が散歩する時などに必要とされる。
猫をつなぎとめる行為には賛否両論あるだろう。
だけどそれぞれの「家庭(もちろん猫も含めて)」の事情がある。僕はその判断が正しい事を祈るのみだ。
リードをつけた猫で思い出す子。ある居酒屋の看板猫「タロ」は店の開店準備が始まる頃ぐらいから、長いリードをつけて外に出ている。
このタロ、看板猫どころかお店のある通りの主みたいになっていた。
本人も自覚があるのか、自転車に乗ったまま狭い通りを走る高校生に「シャーッ!」と威嚇していた。
ゴミをポイ捨てする輩に対しては「ジッ」とただただ視線を送る。不思議と「誰か」に見られていると気持ちの悪いもの。
結局その輩は焦ったようにどこかへに行ってしまった…。
リードでつながれているからパトロールはできない。けど町を見守る、そう、ねこのおまわりさんだ。
タロ、20歳は軽く超える歳まで生きた…15年くらいは撮らせてもらっていたなあ。
学生から社会人、転勤…。僕の人生の節目節目にいた「あの時」のタロ。
先日上京した折、タロが通りを見守っていた時間帯に居酒屋さんに行くと…2匹の幼い猫がやはりリードをつけて座っていた。
二代目看板猫だ!僕はまたタロに会えた気がした。嬉しくて二代目に近づくと…元気が有り余ってる!
リードをあやとりのひもの如くに複雑に絡ませ「遊べ遊べくるしゅうない」とじゃれてくる。
ああ、タロは見ているだろうか。この子たちも町を見守るようになれば嬉しいな。
【横尾健太】Yokoo Kenta
Twitter 猫島警部 @nekojimakeibu
熊本市在住。1999年より細々と猫写真を撮り始めて今では太々と猫に浸かる。2016年熊本地震で被災、一時的に東京へ避難。その先で様々な人と猫に癒されお世話になる。「ネコまる大賞」「猫の手帖キャネット大賞」「よみうり写真大賞ファミリー部門季節賞」受賞。使用機材:通常はニコンのD800、旅先はペンタックスのKP、夏はニコンのnikon1 J5。でも機材にこだわりはありません。
プロとはそれで生活できる人だと思うので、アマです。なにもかも脇が甘い性格。写真におけるスタンスは皆無です。猫さまを見ると興奮して「あ、あ、あ」となり何も考えずにシャッター切ってます。「猫を使って金儲け」よりも「金を使って猫儲け」したいな。いろんな猫に出会いたいです。