とある公園に兄妹とおぼしき猫がいた。兄も妹も特徴的な顔をしている。漫画に出てきそうな顔立ちだ。だから兄を「ドラオ」、妹を「ドラミ」と勝手に名付けた。
この兄妹、妹のほうが常にイニシアチブをとって行動しており兄は妹の後ろをついてまわっていた。
ドラミは好奇心旺盛で何にでも興味を示す。飛んでる虫をジャンプしてつかまえたり、空地を訳もなく走り回ったり…。
逆にドラオは妹とは正反対の性格でどちらかというと内向きな性格。見慣れない猫が来ると妹の背に隠れる…。
ドラミはもてる。
公園にやって来る猫たちのマドンナ的な存在かもしれない。当然、恋のアタックをうける。
が、ドラミは誰にもなびかない。失恋したオス多数…。そんな時も兄は物陰にかくれてブルブル…。情けない。
けれどしつこいヤツはどの世界もいる。中年(?)のキジ猫がドラミにしつこく「好きだ~」と強引にせまる。妹は兄に助けを求めるような、そんな視線を送っている…。
どうする、ドラオ!?
するとドラオは低い唸り声をあげてキジ猫に近づいていった。やるときはやるんだ、お兄ちゃん!
ドラオがキジ猫と睨み合う。ウォーっと両者の唸り声。そして…。
「今日はこのぐらいにしといたるわ」と。
ドラオがキジ猫の前から逃げ出すように去っていった…っておい!!
妹は、情けない…というがっかりな表情をし、キジ猫も気勢がそがれたのか何処かへ行ってしまった。
今日もドラミは恋のアタックをうけ、ドラオは物陰に隠れる。相も変わらず、これがこの兄妹の日常。
顔だけじゃない、一挙手一投足まで漫画みたいな兄妹なのだ。
TEXT&PHOTO/KENTA YOKOO