東に磐梯山がそびえ、遠く北西に飯豊連峰を望む会津盆地東部。静かな田園に囲まれた竹屋集落に隣接する森に「竹屋観音寺」として信仰を集めてきた寺がある。1573年、集落の北に越後の僧・快元が開いた明蓮寺に始まるこの寺は、1651年に移転して大雲山観音寺と名を変えて現在に至る。観音堂には、快元が越後からもたらした鎌倉時代の仏師・運慶作と伝わる如意輪観音坐像が安置されている。そのたおやかな姿態から、安産祈願と子供の健やかな成長を願う「子安観音」として古くから信仰を集めてきた。 4月中旬、寺に立ち寄ると楼門前の桜が満 ...