平安時代、最澄が龍神様のお告げを受け、かつてあった多々羅池の辺りでお経を唱えると馬頭観音菩薩が現れたため、寺堂を建て本尊として安置したのが由緒とされる。 子どもの頃から動物好きだった住職の佐藤正延さんは、少年時代、先代に動物を飼いたいと相談したことがある。戦後すぐの貧しい時代で「犬のような大食は無理だが、猫ならいい」と言われ、一緒に過ごすようになった。寺院の子息ゆえの悩みもあったそうで、猫に愚痴を聞いてもらうことも多くあったとか。 「人は一つの欲が満たされると、さらに潤おうと尽きることがありません。しかし ...