この世界の片隅で、ネコEP:78「幻の猫」
もう一度会いたい猫がいる。 5年ほど前に出会ったある猫。 お寺の敷地にちょこんと座っていた。何気なしに2枚、写真を撮った。そして近づくと逃げて行ったのだが…まあ、よくある話だ。 その写真を帰宅して見てみると…ちょっとビックリした。 とある国家のとある独裁者にそっくりな髪型をしていた!顔もまあ、なんというかブサカワイイ。 それから50回くらいは通い捜索したのだが…全くなしのつぶて。是非とも再会したいので未だに探している。 2年程前、東京の下町を何気なしに歩いているとニャーと声を掛けられた。 振り返ると白黒の ...
神様・仏様・お猫様 神社仏閣の猫 第2回 京都府木津川市「真言律宗 小田原山」
京都と奈良のちょうど境に、山々に囲まれた静かな寺院がある。平安中期頃に創立された真言律宗小田原山 「浄瑠璃寺」の参道で猫たちが迎えてくれた。 境内を入ると大きな池が見え、右側に九体阿弥陀堂、左側には三重塔を見ることができる。いずれも国宝だ。九体阿弥陀堂の脇に受付があり、お堂に入れるようになっている。 境内には数匹の猫たちが遊んでいた。猫は佐伯功勝住職の祖父の代より前から寺におり、お祖父様も猫が好きだったようで、一緒にいる様子が写真に残っているという。 猫たちは豊かな自然の中で自由に生活している。なかでも長 ...
この世界の片隅で、ネコ。EP:77「母は強し」
長屋の猫たちのなかで最も美しい三毛猫。美しいがゆえ孤独だ。最初はその美しさから高嶺の花と思われ孤独なんだと思っていた。 女王然としていて近寄りがたいオーラを醸し出していた。 だけど見てしまった…彼女の恐ろしい面を。 長屋の黄色猫がのほほんと日向ぼっこしていた。あー気持ちいい♪ そこへ三毛猫がやって来た。なぜか初めから黄色猫にいちゃもんをつける様に威嚇する。シャー! 当然、黄色猫は"?"となっていた、が、次の瞬間。バチーン! ものすごい左ストレート猫パンチを三毛猫が繰り出した。黄色猫は見事にKOされた…。 ...
この世界片隅で、ネコ。EP:76「しらたまちゃん」
この町の中心街に昭和へタイムスリップしたような古い小さな通りがある。 その通りに「orange」という雑貨とカフェのお店があった。 店内には小さなカウンター、奥にはテーブル席。ところどころに綺麗な雑貨や装飾が飾られていおり居心地が良い。 お店の隣にある「橙書店」という小さな本屋も同じ店主さんが経営されている。 そのorangeにかわいい猫がいるという噂を聴きつけ訪れたのはもう8年前だろうか。 "しらたま"というその名の通りの白い猫が、雑貨の布小物の上ですーすー眠っていた。 直感。あ、とても素敵な猫だ、僕は ...
この世界の片隅で、ネコ。EP:75「長屋の猫たち」
時代から取り残されたような古い長屋がある。そこに住む猫たち。古いから鼠が出るそうで猫はかかせないんだとか、つまり立派な"職業猫"だ。 彼らは長屋をよく知り尽くして、日々パトロールをしている…というか遊んでいるだけだけど。 特に彼らが集まるのが二階にある木製の物干し台。西日が当たり太陽が気持ちいい。ここで居眠りを決め込んだりじゃれあったり…あんまり働いてないな。 長屋の方が洗濯物を干しに来てもお構いなしで微動だにしない。猫もよくわかっていて洗濯物に悪戯する事はない。 長屋の方もそれをわかってらっしゃるので特 ...
この世界の片隅で、ネコ。EP:74「首輪物語」
赤、青、黒、鈴つき、鈴なし…、猫の首輪にはたくさんの種類がある。黒猫に赤い首輪の組み合わせが個人的に好みだ。あ、白猫に黒い首輪もいいかな…。 そんな風に人それぞれ、猫それぞれ(?)、首輪にはなんだか個性が表れる。 とあるデザイナーさんが飼ってらっしゃる猫、グリちゃんはとても、いや、とてつもなく大きな体をゆすって歩く巨猫。 ほぼ同い歳のワンちゃんと一緒に育った猫で性格は狂暴、まるで土佐犬ならぬ土佐猫だ。 こう書くとワンちゃんも狂暴な性格なのかと思われるが、優しくてとても穏やかな性格だ。なぜグリちゃんが狂暴に ...
この世界の片隅で、ネコEP:73「わからない」
僕の好きなシチエ―ションがある。それは猫と人が触れ合っている時だ。ある時はじゃれ合い、ある時は引っ掻き回され、そして一緒に眠る。 ああ、いいなあ、と思う瞬間だ。猫と人の関係。 そのなかでも特に思い出すシチエ―ションがあった。 坂道の手前に気の荒い猫がいた。(なぜ知っているかって?実際に引っ掻かれたからです…) ある日、白杖を持った目の不自由な方が介添え人と一緒にその猫を撫でていた。引っ掻かないか心配だ…。 その方の猫を撫でる手つきはたどたどしくも、まるで宝物を扱うように大事に大事に撫でていた。 その猫はじ ...
この世界の片隅で、ネコ。EP:72「猫の細道」
小学生の頃、体育の授業で平均台に登った方も多いと思う。僕は平均台が苦手だった。とにかくバランス感覚がないのだ。よろけて落っこち、笑われる。 ついでに高い所も苦手だ。いわゆる高所恐怖症。東京タワーとスカイツリー、どちらも登ってはみたが怖いばかりで楽しくなかった…。 僕の苦手なふたつを得意とする存在、それは…もうお分かりだろう。そう、猫。 ノリにはお気に入りの場所がある。3軒隣にある空き家のベランダだ。よくここで昼寝を決め込んでいる。 地上から「おーい」と声をかけてもしらんぷり、熟睡している。空き家だからだれ ...
【猫と暮らす】猫のいたずらを防止する5つのアイディア
猫たちは、猫のサガで、どうしても手を出してしまうモノがあるんです。怒りたくないから先に、いたずら予防しておきます。 ティッシュは壁かけに 猫は動くものに手を出してしまう習性が……。揺れるティッシュはつい掘り掘り。 ティッシュの箱は軽いので、ひっくり返してもダメなんです。猫が届かない壁に吊るしたら解消されました。これはニトリで購入。 ひっかき防止シートで爪とぎ対策 爪とぎしてほしくない場所には、爪が引っかからないシートで予防を! 猫にとって爪とぎは、古い爪をはがして新しい爪を出すためと、マーキ ...
この世界の片隅で、ネコ。EP:72「猫になったら」
もし猫になったら、やってみたいことがある。 屋根の上でおもいっきり昼寝してみたいのだ。 屋根で寝ている猫を見ていると「気持ちよさそうだなぁ」と思う。そして思わず「平和だなぁ」と顔が綻ぶ。 そのなかでも瓦屋根なら最高の寝床になるだろう。内に向かって反っているので、そこに猫がとても具合よく収まる。 見事としかいいようがない。そして冬の瓦はあったかい。お日様の熱をたっぷり蓄えているのだから。素晴らしい昼寝が出来そうだ。 日向とともに移動する猫の姿は見ていて微笑ましい。あれ、猫はたぶん無意識で動いているように思え ...
この世界の片隅で、ネコ。EP:71「おそ松くんたち」
ここは古い長屋、昭和の面影が色濃く残っている。飼われている猫たちもどこか昔ながらの雰囲気がある。 その中に茶猫が4匹いた。血縁なのだろう、皆いつも一緒、仲も良い。性格まで似ている。 虫を採ってきては皆で遊び、ごはんも皆で食べ、そして皆で一緒に眠る。まるで「おそ松くん」みたいな彼ら。 名前もそれにちなんで「一松」「二松」「三松」「四松」と呼んでいた(ちょっと適当だね、いやかなりか)。 そんな彼らの長屋に美しい三毛猫がやってきた。おそ松くん達は皆、色めき立った。好みのタイプまで一緒…可笑しい。 当然、お付き合 ...
「寄りそう猫」寄り添い合ってしあわせになる人と猫の心温まる17の実話を収録
猫のドラマの後ろには 寄りそう人のドラマもある――。 心温まる17の実話を収録 『寄りそう猫』7月11日(木)発売! 収録されているエピソードの一部をご紹介 episode 15 陸くんの贈り物 裕子さんが「陸くん」を3匹目として迎えた理由は、険悪な仲の2匹の猫の間を、その天真爛漫さから、取りもってくれるのではないかと期待したため。その期待どおり、徐々に仲よくなっていく3匹。夢の猫団子が見られるかもと希望が見えた矢先、「陸くん」は病気を発症してしまう……。 episode 1 ノネコがやってきた! ノネコ ...
この世界の片隅で、ネコ。EP:70「兄妹」
とある公園に兄妹とおぼしき猫がいた。兄も妹も特徴的な顔をしている。漫画に出てきそうな顔立ちだ。だから兄を「ドラオ」、妹を「ドラミ」と勝手に名付けた。 この兄妹、妹のほうが常にイニシアチブをとって行動しており兄は妹の後ろをついてまわっていた。 ドラミは好奇心旺盛で何にでも興味を示す。飛んでる虫をジャンプしてつかまえたり、空地を訳もなく走り回ったり…。 逆にドラオは妹とは正反対の性格でどちらかというと内向きな性格。見慣れない猫が来ると妹の背に隠れる…。 ドラミはもてる。 公園にやって来る猫たちのマドンナ的な存 ...
「くぅとしの 認知症の犬しのと介護猫くぅ」いつもボクがそばにいるよ!
最高の介護士 広島県在住のはるさん(41歳)のお宅には、豆シバ犬のしのちゃん(17歳♀)と7匹の猫がいる。全員、縁あって保護され、ひとつ屋根の下で暮らす仲間だ。 午後のやさしい光のなか、しのちゃんは、サークルの中でぐっすり寝入っていた。3年前から認知症を発症し、夜から昼にかけては30分から1時間おきに目を覚ますという昼夜逆転の生活が続いている。視力や聴力がほとんどないため、不安なのだろう、毎回「ワン!」と大声で人を呼ぶ。 はるさんは、そのたびにしのちゃんを抱き起こし、おしっこで濡れたシーツを取り替えてやっ ...
この世界の片隅で、ネコ。EP:69「ハンター、フサ子」
猫は虫が好きだ(勿論それぞれ好みがあるだろうが)。飛んでる虫を捕まえようとして失敗する、猫好きならそんな場面に出会った事があるだろう。 そんな時、猫は「なかったこと」にして「僕は関係ないよ」と泣き笑いの様な顔をする。 下町のお寺で暮らす猫。フサフサの毛なので単純に「フサ子」と勝手に名付けた。 お寺の方によると昔は頻繁にネズミやヘビ、虫を採ってきては皆に見せて自慢していた。相当のハンターっぷりだ。 しかし子供が出来てからのフサ子は日がな一日お寺の境内で寝て過ごし、子供の世話を焼いたりしている。 今日もぐうぐ ...
【猫と暮らす】猫と心地よく暮らす10の法則
ヤノミサエ流 猫と心地よく暮らす10の法則 猫がのびのびと寝転がっている場所は、猫にとって清潔で安全なところ。つまり、猫と快適に暮らすには、お互いの心地よさを知っておくことが大事です。 すっきり見えるがいちばん大事 クローゼットの上は猫たちの避難場所。もともと私は服が少ないほうですが、猫たちが入れる空間を確保するようになったおかげで、服をめいっぱい詰め込まず、余裕のある収納を保てています。 ストックを持ちすぎない 物が多いと場所を取るので、ストックは収納ボックスに入る分だけにしています。市販 ...
この世界の片隅で、ネコ。EP:68「クロネコ」
猫の柄・模様は24種類あるそうだ。その中でも特に黒猫が好きだ。理由は黒色がファッションでもインテリアでも好きだからだが、黒猫はそれだけじゃない。 彼らは総じてどこかミステリアスで賢いイメージがある。 東京・神楽坂もんじゃの営業部長、クロミちゃんは体はとても小さいのだが、目が大きくて相当な美人だ。 それでいてお転婆だが接客はなかなかのもの。初めてのお客さんが抱っこしても怖がらず触らせてくれるのだ。 このお店で今まで敬遠してたもんじゃを初めて食べた。とても美味しくてはまってしまい上京したら必ず訪れる。 &nb ...
神様・仏様・お猫様 神社仏閣の猫 第1回 愛知県名古屋市「尾張四観音 龍泉寺」
平安時代、最澄が龍神様のお告げを受け、かつてあった多々羅池の辺りでお経を唱えると馬頭観音菩薩が現れたため、寺堂を建て本尊として安置したのが由緒とされる。 子どもの頃から動物好きだった住職の佐藤正延さんは、少年時代、先代に動物を飼いたいと相談したことがある。戦後すぐの貧しい時代で「犬のような大食は無理だが、猫ならいい」と言われ、一緒に過ごすようになった。寺院の子息ゆえの悩みもあったそうで、猫に愚痴を聞いてもらうことも多くあったとか。 「人は一つの欲が満たされると、さらに潤おうと尽きることがありません。しかし ...