自然豊かな山里を散歩する寺の猫
広大な緑に囲まれた円福寺は、1595年に建立された歴史ある臨済宗妙心寺派のお寺。
鵜飼で有名な長良川にほど近い山麓にある。取材時の5月には、縁起が良いとされる純白の雪のようなナンジャモンジャの木(ヒトツバタゴ)の花が満開だった。
境内では自然を活かした行事が開催され、4月には竹林でタケノコ掘り、6月頃は生梅採りに多くの人が訪れ、夏には池に睡蓮が咲き乱れる。SNSで境内の様子をアップしている高林洋明住職が、白黒猫のクロちゃん(年齢不詳♂)のお世話をしているそうだ。
円福寺には2003年に関保健所から譲り受けたキジ白の先代猫がいたが、白血病で亡くなってしまったという。寂しい思いをしていた2020年9月、境内にひょっこり現れたのがクロちゃんだった。
やせ細った姿で、お腹が空いているだろうに、なかなか近づいてこない。それでも毎日ゴハンをあげて、少しずつ距離を詰め、やっと撫でられるようになった。今では住職が掃除のたびに付いてくるように。散歩にも付いてきて、最近は1km近く一緒に歩く時もあるそうだ。
でも知らない人には近寄らせてくれない怖がりさん。昼間は広い裏山のどこかでお昼寝しているので、探すのは難易度がやや高めだ。
「絵が上手な妻に描いてもらって猫御朱印を作ったり、猫の銅像を境内に建てられたら」と笑顔で語る住職。
寺院が子孫に代わってお墓の維持をする永代供養も行っており、将来的には今までのお墓に加えて樹木葬の敷地を広めていきたいという。自分のお墓にクロちゃんが見守りに来てくれると想像するだけで嬉しくなる。
円福寺
岐阜県関市池尻1702
TEL 0575-22-4541
http://www.enpuku.biz
Facebook:円福寺岐阜
YouTube:円福寺Channel
取材・原田佐登美