監修:トーラス株式会社代表取締役社長・一般社団法人日本ペット歯みがき普及協会代表理事 赤津徳彦
協力:かまくらげんき動物病院院長 石野孝、日本アニマルウェルネス協会ホリスティックケア・カウンセラー 須崎大
Text by Miyahara Mayuko
猫に虫歯はない
3歳以上の猫の8割以上が歯周病と言われていますが、猫は人と違って虫歯はありません。これは、口腔内のpH(水素イオン濃度指数)が関係しています。人間の口腔内は中性のため酸性になりやすく虫歯菌が増殖しやすいのですが、猫の口腔内はアルカリ性のため虫歯菌が増殖しにくい環境です。そのかわり、歯周病菌が繁殖しやすい環境なのです。
歯周病になっている猫は、よだれが増える、口臭がするといった特徴があります。猫が増えたよだれをぬぐって前腕部がカピカピに汚れていたら要注意です。
歯みがきには信頼関係が大切
人間と同じく猫も朝晩2回の歯みがきが理想的ですが、嫌がったり暴れたりとなかなか難しいですよね。そこで、いきなり歯ブラシで磨こうとするのではなく、指→シート→歯ブラシと段階を経て挑戦してみましょう。
そしてなにより、猫の歯みがきは信頼関係を築くことが重要です。歯ブラシを持って緊張している飼い主には猫は安心して身をゆだねられません。日常からの触れ合いを大切にし、歯みがきも自然にできるよう心がけましょう。
目指せ1530
猫の永久歯は30本。理想は「1530」、15歳で30本歯が残っている状態です。生後間もない猫はもちろん、今15歳の猫も遅いことはありません。失った歯を取り戻すことはできませんが、残っている歯を守ることは何歳からでもできます。
マッサージやお手入れグッズでお口の中から愛猫の健康を守りましょう!
やってみよう! だ液腺マッサージ
歯周病予防には歯みがきが一番ですが、歯みがきするのが難しい場合、「だ液腺マッサージ」がおすすめ! 殺菌成分の含まれているだ液をたくさん分泌させることで歯周病予防に繋がります。
・マッサージの方法
まずは顔を触り、「触られる=気持ちいい」と感じてもらいます。分泌するだ液の出口を広げるために、頬骨のあたりと下顎の犬歯の下あたりを触ってあげましょう。そして4つあるだ液腺をそれぞれマッサージしていきます。
①頬骨腺
目の下を円を描くように
②耳下腺
耳の根元をつまむように
③下顎腺
下顎の骨に沿って
④舌下腺
喉の皮膚をつまむ
最後はだ液を出口(前の方)へと流すようにマッサージしてあげればバッチリです!
・お手入れグッズでお口の健康を維持できる!
Level 1
ねこおもい ごはんにかけて食べる歯みがきパウダー
「グロビゲンPG」と「フェカリス菌」でお口とお腹の健康維持をサポート。まぜて食べるタブレットタイプも。10g、880円(税込)
Level 2
国産 猫の歯みがきジェル
舐めさせたり、奥歯に1~3滴注入するだけで、簡単にお口のケアができます。カツオエキス配合。30ml、1,100円(税込)
Level 3
プラケアシート
味が付いていないシートなので、愛猫の好きなパウチの汁やジュレなどを付けて歯みがきできます。お口周りを拭くのにも◎。15枚、440円(税込)
Level 4
プラケア やわらかブラシ
毛が短いのにやわらかい、 7mmのソフトタイプ。口の奥までしっかり届く、ペットのお口に合った柄の角度です。770円(税込)
オンラインショップURL
https://taurus-pet.shop-pro.jp