猫びより編集部のとなりで実用書編集を担当しているNさん。ある日、迷子猫に遭遇し……!? そのときのお話を詳しく聞いてみました。
文・二瓶日向子
夜遅く、駐車場から猫の叫び声が聞こえてきました。ただごとではない様子だったので外に出てみると、後ろ足を引きずった小さな黒猫が近寄ってきました。水をあげるとよく飲んでくれましたが、何か訴えるように鳴き止みません。人慣れしているから迷い猫かな……と戸惑っていると、私たちの声を聞いたご近所さんがキャリーを貸してくださり、よし、と心を決めて保護することにしました。
翌朝、近所の動物病院へ連れて行くと、体温は34℃台まで低下してひどい脱水症状を起こしていました。動物用ICUの中でぐったりする姿を見て、どうか元気になって! と祈るばかりです。
けれど、急展開でした。迷子猫サイトで、よく似た子を探しているという投稿を見つけたのです。すぐに写真を送ると、うちの子で間違いないとのお返事。翌日、飼い主さんと病院でお会いしました。いつも通り庭で遊んでいたのだけれど、その日は帰ってこられなくなってしまったのだそう。「まっくろけ」という名前の17歳の猫さんでした。5日ほど入院しましたが、無事、おうちに帰ることができました。
後日、元気になったまっくろけに会いにいくと、飼い主さんご夫婦に抱っこされてすっかり安心した顔。おうちで生まれて、なんと飼い主さんとともに外国へ行ったこともあるという、かわいい箱入り娘です。奥様からは、ノワール(フランス語で黒という意味)と呼ばれているそうです。
まっくろけちゃん、これからも元気で長生きしてね!