猫は場に紛れる天才だ。僕はこれを「まぎれねこ」と呼んでいる。たとえば。 家と家の間の狭い塀。僕にとってほんとに「へぇー」としか言いようがない。 そうです、ダジャレです。 通勤途中にある塀だから毎日毎日、朝ごはんのおにぎりを食べつつ通り過ぎていた。 いつもどおりの日。 たまたま塀の前で立ち止まり靴ひもを結んでいた。すると2匹の猫が塀の上からこちらを凝視していた。 あれ、いたの!? 視線の先にはおにぎり…。もしかしたら毎日見られていたのかも。まったくわからなかった。 下町の裏路地。 もう閉店した理容室の前で馴 ...