たまに猫は「えっ!?そんなところにいるの!?」という場所に居たりする。
定番なのは狭いところとか高いところ。どう考えても入れない、登れない場所にいる猫の写真や動画をよく見る。
とある地蔵堂。ベンチのようになっている上がり框があって、座って休憩していた。
すると。…グーグーグー。なにかの音が聴こえる。まるで寝息のようだ。
しかしまわりに人っ子一人いない。ましてや猫っ子一匹…だけど頭上からグーグーと聴こえる。…妖怪でもいるのか?
そして上を向くと…あれっ、猫!? なぜこんなところに!?
地蔵堂の欄間のようになった部分、猫一匹分もない僅かなスペースに猫が居た。
相変わらず寝息を立てている。というか寝返りうったら落ちるぞ…。
この地蔵堂を管理している隣のお宅の方に聞くと…。夏の午前中は上がり框の下で寝て、午後になると欄間に登って寝ている、と。
「あはは、日光東照宮の眠り猫みたいでしょ」
よく見ると木の柱には無数の爪痕が残っていた。いくらお地蔵様が子供の守り神だからって…。
ある空地に鋼管が放置されていた。穴の大きさ、あきらかに猫の顔より小さい。
一応、狭い空間は確認するようにしている。猫がいるかもしれないからね。でも顔も入らないこんな小さな穴にいる訳ないじゃん…が、しかし!
仔猫が「詰まっていた」。
どうみても詰まっている…これ、抜けられるのかな?
目線が合う。仔猫は「アッ、ニンゲン!」という顔をして穴を抜けようとする、が、抜けない…。
すると。後退し始めた。ああそうだ、猫は電車と同じく後退もするんだっけ…ヨイショヨイショ。
少し時間が掛ったが少し大きめに開いた反対側の口から出てきた。そりゃそうだ、入ったんだから出れるよな。
じゃあ、記念に写真を一枚…仔猫は「アッ、ニンゲン!」という顔をして逃げていった。
まだまだ「えっ!?こんなところに!?」という場所に猫がいる。やっぱり猫は、スゴイといしか言いようがない。
【横尾健太】Yokoo Kenta
Twitter 猫島警部 @nekojimakeibu
熊本市在住。1999年より細々と猫写真を撮り始めて今では太々と猫に浸かる。2016年熊本地震で被災、一時的に東京へ避難。その先で様々な人と猫に癒されお世話になる。「ネコまる大賞」「猫の手帖キャネット大賞」「よみうり写真大賞ファミリー部門季節賞」受賞。使用機材:通常はニコンのD800、旅先はペンタックスのKP、夏はニコンのnikon1 J5。でも機材にこだわりはありません。
プロとはそれで生活できる人だと思うので、アマです。なにもかも脇が甘い性格。写真におけるスタンスは皆無です。猫さまを見ると興奮して「あ、あ、あ」となり何も考えずにシャッター切ってます。「猫を使って金儲け」よりも「金を使って猫儲け」したいな。いろんな猫に出会いたいです。