愛する我が子には、ずっと健康でいてほしい。それはどの飼い主さんにも共通する願いですが、猫は不調を我慢する傾向が強く、なかなか異変に気が付けないことも。毎日の営みであるトイレから健康状態を知り、快適なトイレ環境を整えてあげることで、愛猫の健康を支えましょう!
監修・稲垣絵里子 先生
酪農学園大学獣医学部卒業。日本獣医中医薬学院にて獣医中医師1級、獣医推拿整体師を取得。三ツ池動物病院勤務を経て今年6月に港北にっぱ動物病院を開院。
ほとんどの場合1日に1回以上は行うトイレ掃除。ウンチやおしっこの片付けをしながら、その状態を確認して愛猫の健康状態をチェックしてみましょう。
ウンチ
理想的 | 要注意 | |
回数 | 1~2回/日 | 5~6回/日 |
ニオイ | ニオイはあるが悪臭ではない | 普段と違う悪臭、血のニオイ |
色 | 黄褐色~こげ茶 | 赤い(鮮血便)、 黒い(上部消化管出血を疑う)、 白い(肝胆やすい臓の病気などを疑う)、 緑(消化不良を疑う) |
かたち 硬さ |
表面がしっとりとしていて小さい
バナナ状、バナナくらいの柔らかさ |
泥状~水様便 硬すぎる、 ゆるすぎる |
おしっこ
理想的 | 要注意 | |
回数 | 2~3回/日 | 5~6回以上/日 |
ニオイ | 一般的な尿臭 | 血のニオイ、 まったく臭わない、 普段と違う悪臭 |
色 | うす黄~黄色 | 透明、赤、褐色 |
量 | 20~30ml/kg | ぽたぽた としか出ない、 50ml/kg以上 |
ウンチやおしっこからわかる病気のサイン
下 痢
単純な消化器疾患だけでなく、心臓病や腫瘍性疾患(リンパ腫や小腸腺癌など)などさまざまな病気の可能性が考えられます。
便 秘
正常範囲内の便秘もあれば、腎臓病や糖尿病などで身体が脱水傾向にある場合にも便秘が生じます。特に3日以上便通がなければ注意が必要です。
血 便
多くは大腸からの出血ですが、数日しても改善がない場合、良くなったり悪くなったりを何度も繰り返す場合には、難治性の炎症性腸疾患や消化管腫瘍などの疑いがあります。
おしっこの回数が多い
腎臓病や糖尿病、ホルモン疾患、心因性多飲、尿崩症など様々な原因で尿量が多くなります。
おしっこの回数が少ない
実際に尿が少なくなっているのか、それとも排泄ができなくなっているだけなのか見極めることが必要です。前者の場合、単純な飲水量の低下、腎臓病や循環血液量の低下、心臓病などの病気である可能性があります。後者の場合には、結石や腫瘍、炎症などで尿の排出路に障害が起きている可能性を考える必要があります。
血 尿
出血がどの場所で起きているかを考える必要があります。尿は簡単にいえば腎臓→尿管→膀胱→陰部を通っておしっことして目に見える状態になります。単純に陰部周囲に外傷や腫瘍があり、そこから出血し尿に混入している場合もあれば、腎臓病、尿管や膀胱の結石・腫瘍、膀胱炎など様々な病気においても血尿が出ます。
イラスト・すしず
港北にっぱ動物病院
稲垣先生が院長を務める港北にっぱ動物病院が6月18日に開院しました。「安心して『にぱっ』と笑顔になれるような病院」がコンセプトの、安心とぬくもりのある動物病院です。丁寧なカウンセリングと的確な診療で、誠実に動物たちと向き合います。
神奈川県横浜市港北区新吉田町3167
TEL 045-577-3988
診療時間/9:00~12:00、
15:00~18:00 休診日/火・金曜
https://www.kohoku-nippa.com
Instagram:https://www.instagram.com/kouhokunippa_doubutubyouin/
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