種は違っても、誰にも負けない仲良し母娘の、ひめ子とひな子。ふたりが母娘となったきっかけは、ある朝のことだった。 国産天然木の香りが満ち満ちた、広い工房の中で、きょうも、ひな子は、探検に余念がない。 「あれ、ひな子はどこにいった?」と、栄一父さんに問われれば、ひめ子は、すぐさまひな子の元へと誘いざなう。 いつだって、大事な娘の姿は目で追っているから、居場所はちゃんとわかっている。 危ないことをしそうなときは、「ウ〜〜」と唸って、しっかりしつけをして育ててきたから、心配ないのだけど。 視界から姿が消えると、気 ...