思いがけない事故に見舞われた時や猫の体調に突然異変が見られた時など、病院へ行く前に飼い主が適切な応急処置を行うことで、症状の悪化を最小限にとどめることができる場合がある。
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準備しておきたいもの
ケガ・止血
圧迫止血し患部を固定する
傷口を洗浄できそうなら流水でさっと洗い、清潔なタオルなどで圧迫して止血する。
傷口に滅菌ガーゼや清潔なタオルを置き、その上から包帯を巻いて固定してからすぐに病院へ。噛み傷やひっかき傷の場合は傷口が化膿しないようにオキシドールを含ませた脱脂綿で消毒しておくとよい。
足をひきずる、骨の変形が見られるなど骨折の可能性がある場合は患部の固定が重要。すぐにバスタオルでくるんで病院へ。
慌てず冷静に
ケガや突然の症状にパニックになっている愛猫を見て、思わず取り乱してしまいがちですが、重要なのは飼い主の冷静な対処。
基本は早急に動物病院へ連れていくことですが、その前に手を打てる場合はできる限りの処置をしておくと、命の危険を回避できるだけでなく症状の悪化を最小限にとどめることができます。
また、病院へ行く際はバスタオルでくるむなどしてキャリーに入れるか、底の安定した段ボール箱などに入れて(脱走しないよう閉じて)運ぶと猫が落ち着きやすいでしょう。パニック状態の場合は、飼い主の認識もできない可能性が高く、手加減せずに噛みついたり予想外の行動をとりかねないので注意して対処を。
ヤケド
まずは患部を冷やす
患部を流水に当てる、もしくは保冷剤などを当てて冷やす。広範囲の場合は、冷たい濡れタオルでくるんで冷やすとよい。病院へ連れていく時も濡れタオルでくるんだ状態で冷やしながら連れていく。
溺れた
水を吐かせる
お湯をはったお風呂に落ちたりして溺れた場合など、まずはすぐに引き揚げて水を飲んでいるようなら吐かせること。猫の後ろ足を持って逆さまにし、体をゆすって気道の水を吐き出させる。
熱中症
体を冷やして体温を下げる
口を開けてハァハァと呼吸し体温の上昇が見られる。ショック状態に陥ると死に至ることもあるので、早急に体温を下げる処置を。猫の体に流水をかけるか、もしくは冷たい濡れタオルを軽く絞って体をくるむ。同時に、獣医師に連絡し指示を仰ぐ。
意識不明
気道確保してすぐ病院へ
舌で気道が塞がる恐れがあるので、まずは舌を引っ張りだして気道を確保しておくこと。むやみに動かさず、すぐに病院へ連絡して指示を仰ぐ。パニックにならず、落ち着いて状況を獣医師に伝えるようにする。
監修:南部美香
文:高橋美樹 イラスト:おかやまたかとし