便の状態やトイレ前後の行動には、猫の健康を知る上で非常に大切な情報が詰まっている。猫がトイレに向かったら観察することを忘れずに。
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どんなオシッコ/ウンチが理想?
排泄物は個体差もあるので、普段の量や回数、便の状態やニオイを知っておくことが第一。猫がトイレを済ませたら便がいつもと変わりないかチェックしよう。何らかの異変が見られる場合は、膀胱炎や腎臓、消化器系の病気のサインである可能性も。
健康的なオシッコとは?
成猫は一度に40〜50㎖のオシッコを1日2〜3回するのが一般的といわれるが、量を量るのは至難の業。普段から1日あたりの猫砂の塊(状態)と数を把握しておくと比較しやすい。
こんなオシッコは要注意!
- いつもと違うイヤなニオイがする
- いつもより塊が大きく/小さくなった
- 同じ砂なのに固まり方が悪くなった
- 小さな塊が目立つようになった
- キラキラした結晶が見られる
- ひどい時には血が混じる
など
健康的なウンチとは?
毎日、ポロポロしていない4〜5㎝程度の便が出るのが正常。色は大体こげ茶色、お箸でつまめる程度の柔らかさで猫砂が全体にまんべんなく付着するぐらいの湿り気を帯びているのが理想。
こんなウンチは要注意!
- いつもと違うイヤなニオイがする
- 色が黄色っぽいなど普段と違う
- 乾燥してコロコロしている
- 乾燥してコロコロしている
- 下痢
- 血が混じる
など
トイレ前後の猫の行動もCheck
猫の健康状態はトイレ前後の行動にも表れる。猫がトイレに向かったらさりげなく様子を見守り、常に異常がないか観察することが大事。オシッコの場合、48時間以上出ない状態が続くと異常。尿毒症を起こして死に至るケースも。特に尿道閉鎖を起こしたオス猫の場合は深刻なのでおかしいと感じたらすぐ病院へ。
- トイレに行くが排泄しない
- トイレに行く回数が多い/少ない
- トイレの時間が長い
- 排泄中に苦しそうに鳴く
- 排泄後に嘔吐する
など
お尻を頻繁に舐める/お尻を床に擦る場合の注意点
猫には肛門の両サイドに「肛門腺(嚢のう)」と呼ばれる臭腺があり(犬にもある)、悪臭を放つ分泌物が入っていて興奮した時や排泄時などに定期的に排出される。しかし老齢になり、それがうまく排出されずに溜まってしまうと、猫は不快に感じて頻繁に舐めたりお尻を擦るように。猫から悪臭を感じたりこれらの行動が見られたら、早めに病院で診てもらうこと(詰まっていれば肛門腺を絞ってもらう)。排出されず化膿すると肛門嚢炎を起こしたり、ひどい場合は破裂してしまう危険も。
猫のオシッコの採取法
猫は腎臓の病気にかかりやすいこともあり、年齢とともに病院で検尿する機会も。ウンチは容易に採取できるが、オシッコの採取はなかなか難しいので工夫が必要。
お玉やレンゲで採る
猫が排尿しだしたら、さりげなくお玉(レンゲ)を当てて採尿。猫の体に当たると嫌がるので注意。箱型トイレが採取しやすい。
その他採取方法
トイレ砂の上にラップやビニールを敷いて採尿する方法も。猫が違和感を感じた場合は工夫が必要。
監修:南部美香
文:高橋美樹 イラスト:おかやまたかとし