「東洋一の猫絵描き」と称されるチン・ペイイ(陳 珮怡)さんの日本で4回目の個展がこの9月に開催されました。
古来、世界を形作る最小単位とされてきた5大元素を猫で表した連作など、とても見応えがあって大変充実した作品が並んでいました。
特に印象的だったのは、2羽の雀と猫と虎が描かれた作品。猫と雀の組み合わせで連想されるのは、日光東照宮の「眠り猫」でしょう。近くで雀が遊んでいるのに、猫はそれを追うこともなく昼寝をしている……。つまり天下泰平の大変おめでたい図像です。
チンさんの絵では、ここに虎が加わり、猫と仲良くポーズを取ったり寝ていたりします。強大な虎も愛らしく小さな猫も争い奪い合うことなく平和を享受する。現実世界がどうあれ絵の中で理想郷を示すのはとても尊いことだと感じました。
チン・ペイイ個展「世界上獨一無二的我」
GALLERY SCENA.(東京・原宿)
2023年9月15日~30日
https://gallery-scena.com/