「障がい者グループホーム」とは、障がいのある方が共同生活を送る小規模住居のこと。マンションや戸建てなどを生活の拠点とし生活援助を受けながら、孤立を防ぎ、自立を目指すための福祉サービスの一つだ。
今回紹介する「わおん」「にゃおん」は、動物と暮らしたいと思う人向けの「保護犬・保護猫と暮らすペット共生型 障がい者グループホーム」。「人間福祉と動物福祉の追求」を企業理念とし、「障がい者グループホームの不足」、「空き家問題」、「ペット殺処分問題」の解決をコンセプトに、全国474拠点ほぼすべてのホームに保護猫や保護犬が暮らしている。
保護猫がグループホームで暮らすまでの流れは、愛護団体などに保護された猫や犬が運営会社の「アニスピホールディングス」の本社オフィスに引き取られ、しばらく社内の「キャットルーム」で気ままに生活する。人との暮らしに慣れたら「猫を迎えたい」と申し出のあったホームに、動物スタッフとして派遣される。
都内で保護猫が暮らす直営のホームは2ヶ所あり、今回は黒猫のジジ(1歳 メス)が暮らす「わおん障がい者グループホームお花茶屋」(東京都葛飾区)にお邪魔した。ジジのいるスペースは、利用者みんなが集まる2階のリビングで、利用者やスタッフに囲まれ、のんびり暮らしている。
「利用者さんの中には、人と会話するのがちょっと苦手だったり、気持ちがうまく表現できない方もいますが、ジジとの『心の会話』のセラピー効果は絶大で、自然と笑顔になりますね。
最近は、『ジジが可愛い』だけでなく、『1匹で寂しいのではないか?』『体調は大丈夫?』などと親心を抱く方もおられます」と、施設管理者の藤田良子さん。
ジジの世話の中心はスタッフで、トイレ掃除などは、気が付いた利用者も手伝う。健康管理は、系列の「CARE PETS」所属の動物看護師の定期訪問や、体調面で心配なことがあれば管理者が動物看護師に連絡し、指示をもとに動物病院を受診させるなど、万全の体制だ。
「人間の福祉」と「動物の福祉」がみごとにマッチした「ペット共生型グループホーム」は、保護猫や犬と、ハンディを抱える人が幸せに共生するモデルケースともいえそうだ。
ペット共生型 障がい者グループホーム「わおん」「にゃおん」
お問合せ:株式会社アニスピホールディングス
TEL 0120-949-615
https://anispi.co.jp/waon
B〜D写真・文 西宮三代
写真提供 アニスピホールディングス