猫スタッフがお出迎え! 大阪・弁天町の書店「ブックスB」

営業課長・ナナにじっと見つめられると帰り時を見失ってしまいます

灯火親しむの候、読書の秋の今回は大阪市・弁天町駅近くの本屋さんへ向かいます。大通りの歩道で、早くも熱い視線を感じる……。ガラス越しに招き猫のダイキチ(6歳♂)とバチッと目が合いました。これはもう猫好き人間なら、素通りすることができませんね。

往来の人々にアピールするダイキチと大野さん。ダイキチはビビりだけどニャルソック係を担当

「ブックスB」は38年前にお隣・大正区で創業、19年前に現在の動物飼育可の建物へお引越ししてきました。

広い店内はどこか懐かしい雰囲気で、ゆっくりと時間が流れています。一角には猫コーナーともいえる猫本がズラリと集められた本棚と、猫たちのくつろぎスペース。働く5匹の猫たちは、それぞれの職務をゆる~く遂行中です。お店のオーナー・大野勢津子さんは地域猫活動も行っていて、ふたつのTNRのボランティアグループに関わっているそうです。お店には常に一時預かりの猫がいる状態で、今日もこれから2匹の猫がやってくるのだとか。

ここ1年で20匹以上の猫が里親さんの元へ。
SNSでは里親募集をしないのは大野さんのポリシー

2年前までお店には猫だけでなく、お客さんに愛されながら13歳で亡くなった黒ラブラドールのゴン(♂)がいました。高齢で病気により飼えなくなってしまった飼い主さんから大野さんがゴンを引き取ったそうです。

ゴンの思い出が詰まったボード。お店のInstagramをさかのぼれば、
在りし日のゴンが猫たちに寄り添い愛嬌を振りまいている

ゴンは面倒見が良く優しく、温厚な性格で人気のボス・フク(16歳♂)が保護された当初から、すぐに2匹はべったり仲良しに。ゴンの面倒見の良さはフクにも受け継がれ、フクはその後保護されやってきたダイキチを優しく育てあげたのでした。

ブックスBのボス・フクはお昼寝中。お店では定期的に「寝起きor夜ふけの猫会」というイベントを開催していて、
開店前・閉店後に気兼ねなく猫たちと触れ合える

フクがお店にやってきたのを機に、大野さんはボランティアグループを立ち上げ、そこで最初に保護したのが営業課長のナナ(9歳♀)。愛嬌たっぷりで「お買い上げありがとニャ、また来てニャ」と、お客さんにお腹を見せてコロン、しています。

常連さんからマッサージを受けるナナ。
本だけでなく老舗喫茶の「アラビヤコーヒー」やお菓子、ハンドメイドのオリジナル猫バッグ、猫スタッフたちのステッカーなども販売

期待の新人・ハナ(1歳♀)は、連携しているボランティアグループから「一時預かり」として和歌山からここへ。しかし、物怖じせずものすごく人懐っこい性格故に「天性のアイドル看板猫」と見込まれてお店で働くことになりました。

ハナを抱くスタッフの児玉歩惟さん。高校生の頃からここで働いているベテランで、7年前にお店に来た猫と暮らしている

そして、4年前からジワジワお店に接近し、ゴンの散歩のお供などを経て外回り営業課長に昇進したのは黒猫のラック(♂)。今日は得意先廻りに忙しいらしく、会うことができなかったので後日リベンジ!

犬と猫のおはなしコーナーの本棚には、我らが辰巳出版の書籍もいっぱい!

猫と一緒にゆっくり本選びができる街の本屋さんは、猫たちが可愛すぎて……想像以上に長居してしまいます。

ブックスB
大阪府大阪市港区波除3-1-5
TEL 06-6581-7668
営業時間:平日・土曜/10:00~23:00、
日曜・祝日/12:00~23:00 定休日:1月1日
X(Twitter):@booksbcomic(コミック・雑誌情報)、@booksB_Osaka(イベント情報)
Instagram:books__b

 

文・写真・芳澤ルミ子

-猫びより