大切な愛猫の健康長寿や傷病平癒などなど、神さまにお願いしたいことは多い。さらに願いが叶ったお礼参りや、七五三、誕生日などの記念日に愛猫と一緒に神社にお参りができたら……。そんな希望を叶えてくれるのが、座間神社の伊奴寝子社である。
座間公園の緑の遊歩道に隣接した座間神社の杜(もり)は、清水が沸き出で、樹齢三百年の椎の木が見守るパワースポットだ。境内に足を踏み入れるだけで清爽の気がみなぎる。
この神社の一角に鎮座する伊奴寝子社は、猫や犬をはじめ総ての愛しい生き物たちをお守りするため、平成二十四年に創建された神社。畜産や養蚕が盛んだったこの地に、江戸時代につくられた動物守護の「蚕神社」がもとになっているという。
「この伊奴寝子社はもちろん、座間神社全体どこでも、ペットとともにお参りいただけます。閉門時間も設けておりませんので、何時でもご自由にどうぞ」と、座間神社伊奴寝子社担当の山本かすみさん。
早朝に犬の散歩を日課にしている飼い主と犬が一緒にお参りしたり、全国でもめずらしいペットのための神社とあって、地方からはるばる車でやってきたペットと飼い主さんが夜の到着とともにお参りすることもあるという。
さて、本殿の先にある伊奴寝子社の可愛らしい鳥居をくぐると、左に「狛猫」、右に「狛犬」の像がある。「狛猫」の頭をさすって願いを心にしたため、奥へと進んでお参りをしよう。
両側には猫や犬の絵馬が鈴なりにかけられている。社務所で絵馬を求め、願いをしたためて奉納できるのだ。愛猫の健康と幸せ、病気やケガの回復、さらに開運招福や邪気祓いなど、さまざまなご利益が望める。
社務所ではほかにもペットのお守りやおみくじが多種多様あって、あれこれ見るのもたのしい。可愛いイラスト入りのご朱印もいただくことができる。
また、座間神社ではペット祈願も行っている。特に七五三や「成猫式」などには、愛猫に着物やドレスを着せてお参りする、華やかな姿が見られてたのしい。ほかにも春の雛人形、夏の風鈴、秋の名月など季節ごとの展示や催し物があり、さまざまな姿を味わってほしいと山本さんは言う。
「6月30日から1週間は、茅で編んだ輪をくぐって無病息災を祈願する、夏越の祓の『茅の輪くぐり』も行われます。ぜひ、家族の一員である猫ちゃんとともにくぐっていただきたいです」。
座間神社
神奈川県座間市座間1-3437
TEL 046-251-0245 お問合せ時間:9:00~17:00
https://zamajinja.or.jp
文・写真 鈴木美紀
フリーライター。現在は三代目の猫たち「ゆきこ」と「まふぃん」にかしずく日々。著書に『現代にゃん語の基礎知識』『花のある風景』。小さなねこ図書館を開くのが夢。