今回はぶらぶらを自粛して、近年通っている「恋する猫島」について綴ります。
うどん県はJR予讃(よさん)線・多度津駅に下車。路地猫に挨拶をしながら歩いて20分、「たどつ汽船」に揺られて目指すは佐柳(さなぎ)島です。
島には南北ふたつの港がありますが、私は本浦港で下船。瀬戸内の海風がそよぐ防波堤や砂浜、空地に神社にいつもの顔……のびのび暮らす猫たちに会えば、長旅の疲れも忘れ、猫をお世話する優しいお姉さんたちとの再会に歓喜♪ 島猫話に花が咲きます。
季節によるのでしょうか、島では雄猫同士の恋のバトルやロマンチックなデートシーンを度々目撃します。私は完全におじゃま虫ですが、「頑張って~!」と応援激写。猫たちは個性豊かに、自然の、ありのままの「猫生」を謳歌しているようです。
小さな島なので日帰りでも十分に猫成分を吸収できますが、私のオススメは佐柳島小学校の木造廃校舎をリノベーションした「ネコノシマホステル」に泊まること。図書室はドミトリー、図工室と資料室、理科室は個室の宿泊室になっていて、ノスタルジックな雰囲気が満載。日帰りの人も利用できる併設の「喫茶ネコノシマ」で、海を眺めながらの珈琲ブレイクも最高です。
全国各地の猫島同様、佐柳島も御高齢の方が静かに暮らしています。医師の常駐はなく、感染症に対応できる医療体制がありません。猫に会いたいはやる気持ちを抑えて渡航予定は一旦延期。また島猫たちと戯れられる日常が早く戻りますよう、切に願います。
ネコノシマホステル
香川県仲多度郡多度津町佐柳1353
TEL 0877-35-3505
https://neconoshima.jp
※現在は感染拡大防止のため営業休止中
カメラマン。1972年生まれ。独学で写真を学び猫撮影を中心に活躍。猫の自然な姿と個性を捉えた写真を得意とする。著書に『ネコの裏側』(辰巳出版)、『にゃんたま』『開運酒場』(自由国民社)。