猫の病気は早期発見・早期治療が鉄則。そのためにも日頃から愛猫の ちょっとした変化や病気のサインを見落とさないことが大切です。
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早期発見・早期治療が鉄則
見るからに具合の悪そうな状態は、人間でいうとかなり病気が進行している重篤な状態。猫の病気は早期発見・早期治療が鉄則です。手遅れになる前に少しでも早く手を打つためにも、日頃から猫の健康状態を把握しておきましょう。
そのために大切なのは飼い主の観察力です。こまめに愛猫を観察し、普段と様子が違う場合には獣医師に相談しましょう。体重・食事量・飲水量・排泄物の変化も大きな手がかりになります。定期的な体重測定をはじめ、毎日の給餌量を量る習慣を付けまょう。
日々のスキンシップで体を触って、張りやしこりがないか、触られて嫌がる箇所がないかなど、さりげなく調べることも大切です。
気づいてあげたい10のサイン
①不適切な排尿(便)行動
● 姿勢がいつもと違う
● 排泄時間が長くなる
● 尿/便の色や量がいつもと違う(血が混じるなど)
● 苦しそうな声を出す
● 猫砂の固まり方がいつもと違う
● 回数が多い/少ない
②交流の変化
● 触られるのを嫌がる
● あまり遊ばない
● 走り回らなくなった
③外見の変化
● 外傷・汚れ・悪臭がする・腫れやしこりがあるなど
● 正常に歩かない(足をひきずる、かばう部分がある)
● 動かずうずくまっている
● 目に生気がない
④睡眠時間の変化
※猫の平均睡眠時間は1 日合計16 ~ 18 時間
● 今までより長くなった
● あまり寝ていない
⑤水や食事の摂取量の変化
● 水を多く飲むようになる
● 過食になる
● あまり食べたがらない
⑥口腔内の変化
● 息が臭い
● よだれが出る
● 噛みにくそうにする
● 飲み込めない
⑦グルーミングの変化
● 毛艶がなくなる
● グルーミングをあまりしない
● 過度なグルーミングによる脱毛が見られる
⑧行動の変化
● 陰に隠れて出てこない
● 逃げるようになる
● 嘔吐
● トイレ以外で排泄する
⑨鳴き声の変化
● 大声で鳴く
● 理由もなく鳴く
⑩原因のよく分からない体重の減少/増加
基準は1 歳時の体重
成猫の標準体重は3.5 〜5.5kg。基準は成長期が終わる1歳時の体重を目安に15%までの増加は正常範囲とする。
1歳時の体重 | 正常範囲(目安) |
3.5kgの場合 | 約3.5〜4kg |
4kgの場合 | 約4〜4.6kg |
4.5kgの場合 | 約4.5〜5.2kg |
5kgの場合 | 約5〜5.8kg |
5.5kgの場合 | 約5.5〜6.3kg |
その他
● 体温の変化(平熱約38.5℃。耳で測るデジタル体温計が便利)
● 心拍数の変化(通常150 ~ 180 /分。寝かせて脇の内側あたりに手を当てて計る)
● 呼吸数の変化(通常20 ~ 30 回/分。胸やお腹の上下の往復で1 回とカウント)など
当てはまる場合や少しでも不安を感じたら病院へ!
監修:南部美香
文:高橋美樹 イラスト:おかやまたかとし