猫ちゃんの健康維持には、たっぷり新鮮なお水が欠かせません。しかし、なかなかお水を飲んでくれなかったり、飲水量の変化がわかりにくかったり……。
「うちの猫が飲む水の量、問題ない!?」と気になる人も多いのではないでしょうか。気になる猫の飲水にまつわるさまざまな疑問を、ファルミナペットフーズ・ジャパンで獣医師、コンサルタントとして活躍する山中咲輝先生が教えてくれました。
- 猫は1日に何mlの水を飲むべき?
- あまり水を飲まない猫にはどうしてあげるのがいい?
- ウェットフードを選ぶときのポイントは?
山中 咲輝
ファルミナペットフーズ・ジャパン株式会社のジーニアスコンサルタント、獣医師。ファルミナが提供する電話コンサルティングサービス「ペット栄養ケアサポート(※下部参照)」にてお客様とのお電話等を担当。
「お電話でN&Dユーザー様のご愛猫・ご愛犬のお話を聞くのをいつも楽しみにしています。家族にはトイプードルのレオ君がいます。近いうちに猫ちゃんのお迎えもしたいと考えており、少しずつ準備中です。」
Q.「猫は水を飲まなくても平気、あまり水を飲まない動物」と言われているのはなぜ?
A. 猫ちゃんの祖先「リビアヤマネコ」のライフスタイルに関係があります!
【解説】
猫ちゃんの祖先は、乾燥地帯に生息していたリビアヤマネコ。リビアヤマネコは乾燥地帯に住んでいたため、水分をあまりとらなくても大丈夫な体になっています。また、彼らはネズミや鳥といった獲物(食べ物)から水分をとっており、お水単体を飲むことは少なかったと推測されます。そのためその子孫であるイエネコ達もお水を単体で飲む習性がない子が多いと言われています。
しかし、かつてリビアヤマネコが捕って食べていたお肉の水分量が70%前後あるのに対して、現在キャットフードとして主に使用されているドライフードに含まれる水分量は10%以下。猫は元来お水を飲む習慣がない動物ではありますが、現在キャットフードを食べて暮らしている猫ちゃんにとっては、お水を飲むことはとても重要なのです。
Q.猫は1日にどのくらいの水を飲んだ方がいいの?
A.体重1kgあたり30~50mlと言われていますが、お家の環境や猫ちゃんの食べているものによって、飲んだ方がいい水の量には差があります!
【解説】
猫ちゃんの適切な飲水量は、体重1kgあたり30~50mlと言われています。つまり、4kgの猫ちゃんであれば、1日に120~200mlのお水を飲んだ方がいい、ということになりますね。
ただ、食べているウェットフードの量、暑い寒いなどの生活環境の違いによって、猫ちゃん1匹1匹の適切な飲水量には大きな差があるため、ご自宅の猫ちゃんの適切な飲水量を知っておくことが重要です。
愛猫の健康な時の飲水量をきちんと把握しておくことで、ストレスや糖尿病、腎臓病、甲状腺機能亢進症などの影響で飲水量が増えた時にいち早く気付ける可能性が高まります。
Q.猫の飲水量はどうやってチェックすればいいの?
A.容器にお水をいれたまま重さを測ったり、目盛りのついた器を使用してみましょう。毎日測るのが大変であれば、月1回程度の計測でもOK!
【解説】
目盛りがついた器を使用すれば減り具合をチェックしやすいですが、目盛りのない容器でももちろん確認できます。容器にお水を入れた状態で容器ごと重さを測り、24時間後に再び測りその差を計算することで、猫ちゃんが1日に飲んだ水の量を測ることができます。
毎日測るのは大変なので、まずは月に1回程度測ってみることをおすすめしています。また、3日連続で測って、その平均を算出することで、その月のより正確な飲水量を知ることもできます。
実際に測ってみると、思っていたよりお水を飲めていないことが分かったり、季節によって飲水量が増減することが分かったりと新たな発見もあると思います。普段どのくらいお水を飲んでいるのか、急に水分摂取量が増えていないかなど、水分摂取を通して猫ちゃんの健康を日々チェックすることがとても大切です。
Q.猫が水をあまり飲まないと、どうなってしまうの?
A.尿石症や膀胱炎などの下部尿路疾患にかかりやすくなってしまいます!
【解説】
お水を飲まないと尿石症や膀胱炎などの下部尿路疾患にかかりやすくなると言われています。お水を飲まないと体内の水分量が少なくなり、尿が濃縮され、尿中の成分が結晶化して石になりやすくなります。
尿路に石ができてしまうことを尿石症といい、石が尿路に詰まって尿が出なくなってしまうと命の危険に直結してしまうこともあります。また、尿石によって膀胱内が刺激されて膀胱炎になることも。その他にも、お水を飲まないと膀胱内に同じ尿が長時間溜まってしまうので、細菌性の膀胱炎にかかりやすくなると言われています。
猫ちゃんは身体のうちの70%は水が占めているので、お水を飲むことは健康維持のためにとても重要なんです。
Q.猫が水をたくさん飲んでくれるようなコツやできる工夫はある?
A.ウェットフードをあげてみたり、猫ちゃんのお水へのこだわりを探ってみましょう!
【解説】
・ウェットフードの併用
猫ちゃんの祖先はネズミや鳥などの食事から自然に水分を取っていました。そのため、現在の猫ちゃんもお食事から水分を取ることで無理なく水分摂取量を増やせると言われています。
また、ウェットフード自体好きな猫ちゃんにとっては、毎日のお食事に楽しみをプラスするという意味でもおすすめです。ドライフードだけでなく、ウェットフードも併用して与えてみましょう。
・猫ちゃんの好みを探す
猫ちゃんによって、お水の温度やタイプ(大きな器にたっぷり入ったお水が好き、流れるお水が好き)等こだわりが様々です。飲水量が少ないと感じる場合は、猫ちゃんが好きなお水の条件を探してあげることをおすすめします。
また、容器の素材や形状にも工夫が必要な場合があります。例えばプラスチックの容器にはにおいがつきやすく好まない子もいます。おすすめはにおいや傷がつきにくく、衛生面でも安心な陶器の容器です。お皿のふちにおひげが当たってしまうのを嫌がる子もいるので、広く浅い形の容器もおすすめです。
その他にも、お水の置き場所をトイレや食事場所から離してあげたり、お水の置く場所を増やしたりすることも有効です。
<山中先生おすすめ!>
ドライフードとウェットフードをうまく併せる「ミックスフーディング」
ミックスフィーディングとは、ドライフードとウェットフードの両方を併せて与えることです。そのメリットは、お食事から自然に水分が取れること。現在与えているごはんすべてがドライフードの場合には、その1/3をウェットフードに置き換えることをおすすめしています。
おやつや一般食のウェットフードも多くありますが、ファルミナのN&Dウェットフードは猫ちゃんにとって必要なバランスの取れた総合栄養食。たくさんのシリーズがあるので、猫ちゃんの特性やお好みに合わせて選んでみてください。
プライムシリーズ、パンプキンシリーズ、オーシャンシリーズは具材がゴロゴロと入っているのが目に見える、シチュー状。香りが立ち嗜好性の高いフードです。
キヌアシリーズは生パテ状で、開けるとキヌアのつぶつぶが見えます。同じシリーズのドライフードであれば缶1つとドライフード20gを丸々置き換えることが可能です。
Q.フードはどんなところに気をつけて選んだらいいの?
A.増粘剤や化学物質の有無を確認し、嗜好性の高いものを探してみましょう!
【解説】
増粘剤など発がん性の疑われるものが使用されていないかチェックしましょう。ファルミナでは、ガムやカラギーナンといった増粘剤(つなぎ)を使用していないので、とろみがあるものは原材料中のでんぷんが加熱されて反応したことで出る自然なとろみです。
そして、フードの成分だけでなく、缶も要注意です。缶詰の内側や食器などに塗られているコーティング剤には、ビスフェノールA(BPA)と呼ばれる化学物質が含まれており、食品に溶け込んで食べ物と一緒に取り込まれることで、内分泌系に影響を及ぼすことがあると言われています。ファルミナでは猫ちゃんの身体に悪影響を及ぼす可能性のある化学物質を使うべきでないと考え、缶詰のコーティング剤にBPAを使用していません。
また、ファルミナでは水を加えずに原材料中の水分のみでウェットフードを作っています。缶に直接原材料を詰めて蒸気で加熱することで加熱調理を1回に抑えることができ、香りや風味が立つように作られています。グルメな猫ちゃんに強くおすすめします!
特に人気なのはN&Dキヌア ユリナリー(下部尿路健康サポート)ダック(クランベリー入り)。下部尿路の健康維持に配慮してクランベリーを使用し、タンパク質やミネラルを調整しています。同じシリーズでドライフードもあるので、ミックスフーディングに最適です。
■ペット栄養ケアサポートで、愛猫の飲水量について相談してみよう!
ペット栄養ケアサポートではお電話にて具体的な測り方や目安の飲水量などをアドバイスしています。また、実際に測っていただいた場合には、飲水量をこちらでも記録させていただくことができるのでおすすめです。
ペット栄養ケアサポートでは、猫ちゃんの健康チェックのポイントなどについてもお話しており、健康時の飲水量を測っておくことのメリットや重要性についてもお伝えしています。ご自身だけで猫ちゃんの健康について悩む前に、まずはお気軽にご相談ください!
【ペット栄養ケアサポートへのアクセスはコチラから】
ファルミナペットフーズ・ジャパン株式会社
https://www.farmina.com/jp
各商品の詳細・ご購入は、「ファルミナ商品一覧」よりご確認ください。