「おばあちゃん」 もし死んだらどこにいくのだろう。そればかり考えていた時期があった。 その疑問の答えは一生かけても出ないだろう。だけどヒントを与えてくれた猫がいた。 いつもちょっと可笑しな事をやらかしてしまう彼女。 いや、彼女と言っては失礼か。もう結構なお歳のおばあちゃん。僕なんか孫と思われていたのかもしれない。 いい陽気の日には必ず梅の傍の塀の上で日向ぼっこ。だから"ウメさん"と呼んでいた。 2月になり梅が咲く。 それを嬉しそうに眺めていたウメさん。やけに人間じみててどこか微笑ましい。 ウメさんは写真を ...