動物病院が出会いの場を提供 純和風な譲渡型猫カフェ

文・写真 原田佐登美

囲炉裏やちゃぶ台など和を演出した空間

徳川家康が晩年を過ごした城の跡地、駿府城公園にほど近い人宿町はここ数年、賑わいをみせている。町名から名づけられた「猫宿町」は、純和風の保護猫カフェだ。特注の階段箪笥や縁側、囲炉裏など、センスが光る空間で保護猫たちと触れ合いながらくつろげる。

現在20匹ほどがおり、スタッフたちによる個性的な仮名も目を引く。「オリンピックのオリちゃんやパラリンピックのパラちゃんなど、保護された日にちなんで名前をつけています。インパクトある名前が気に入って譲渡につながることも」とのこと。

金魚の餌やり時間になると猫も集まる

そんな保護猫カフェをプロデュースしたのが、「あん動物病院」の大石将司院長(46歳)。カフェにいる猫たちの健康管理と衛生管理を動物病院としてきっちりと行いながら、保護猫とお客様の出会いをサポートしている。大石院長の自宅でも常に5匹の猫を飼っており、取材の日は小学生の娘さんが嬉しそうに店の猫と触れ合っていた。

触れ合いを楽しむ大石院長の娘さん

JR静岡駅から徒歩圏内なので、会社帰りのスーツ姿の男性や、週5で遠方から通う人もいるそう。とある女の子は、どうしてもここの保護猫を飼いたいと母親にお願いしたら「スタンプカードが満タンになったら飼っていい」との約束。ほぼ一人で通いつづけ、見事20個のスタンプを貯めて、猫を迎えることがができたそうだ。

高畑力也店長(左)と大石将司院長

店長の高畑力也さん(33歳)は、あん動物病院のトリマーや夜間救急動物病院の看護スタッフとしての一面も持っている。「里親になってくれたお客さんが、またカフェに来てくれたり、動物病院へ定期的に猫を連れてきてくれるのが嬉しい」と語る。

「すずとら七間町店」の菓子を受付で渡せば皿に乗せてくれる

店内はドリンクメニューのみだが、向かいのビルにあるケーキ店「すずとら七間町店」で購入したスイーツは持ち込み可。「にゃドレーヌ」など可愛いスイーツは、お土産にも最適だ。

猫は飼えないけど触れ合いたいという人は、猫カフェ店内は写真映えするスポットが多数あるので、保護猫たちをSNS等で広めれば、新たな出会いを繋げる手助けになるかもしれない。

保護猫カフェ 猫宿町
静岡県静岡市葵区七間町16-7 OMACHIビル3F
TEL 054-663-2200
定休日/年中無休
営業日時/11:00〜19:00(最終入店は18:00)
https://an-an-hospital.com/neko-yado-cho
Instagram:nekoyadocho

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