『ネコまる』2024夏秋号 Vol.48 特集「三毛猫づくし」の表紙も務めた、とってもキュートなキジ三毛の「いろは」(12歳♀)。大怪我を克服し、飼い主であるゆうさん家族に迎えられ、愛され幸せそうに甘える姿には、あたたかな気持ちがこみ上げてきます。
文・写真・ゆう
いろはと出会ったのは9年前、保護猫サイトででした。先代猫が21歳で旅立った後、何気なくサイトを見ていたら先々代猫と先代猫の毛色が顔の半分半分に入っているいろはを見つけました。
顔の半分が黒系、半分が茶色系と綺麗に分かれていて個性的でとても可愛く、何か運命的なものを感じました。この子を、我が家の最後の猫にしようと家族に迎えました。
いろはは保護された当初、頭蓋骨骨折や顎の裂傷など生死を彷徨(さまよ)うほどの大変な怪我を負っていたらしく、保護してくださった埼玉県の保護団体Hope to LifeチームZEROの代表の方は、あまりの酷さにたぶんダメだろうと思ったそうです。
団体の方が我が家にいろはを連れて来てくれたとき、キャリーケースから出してもらったいろはは怯(おび)えるような顔でキョ
ロキョロと部屋の中を見回していました。
ふだんはめったに何かを褒めたりすることのない夫が、いろはを見て「可愛い」と言ったのでびっくりしましたが、たしかにいろははとても可愛かったです。団体の方が帰り際、「いろは幸せになーれ」と語りかけた言葉にジーンとし、その言葉を思い出すと今でも涙が出ます。
いろは、我が家に来て幸せになったかな?
いろはの魅力
とろける寝顔
まあるい背中
ギャップのある表情
やって来た当日、いろはは怯えてリビングの家具の後ろに隠れたまま一晩中出てきませんでした。ごはんも食べないし、トイレにも行かない。具合が悪いのかと心配しましたが、翌朝リビングに行くと、いろはは隠れたままでしたが私が朝に食べようと半分残しておいたあんぱんが袋から出て、床に落ちていました。ほんの少し食べられた形跡があり、カリカリを食べないであんぱんを食べるなんて、と笑ってしまいました。
他にもいろはには猫っぽくないところがたくさんあります。箱に入らない、高いところはダメ、ツンデレじゃなくて、デレだけ、などなど(笑)。いろはは我が家の3匹目の保護猫ですが、こんなに猫っぽくないのはいろはだけです。
そして、超怖がり。虫なども怖くて、見つけるのは上手ですが、見つけるだけで終了。以前、夏に私がセミを捕まえたので、いろはに見せてあげようと家に持ち帰って見せると、セミを見るなりすっ飛んで逃げてしまいました。せっかく捕まえたのに……。
我が家に来て以来、一度も怒ったことがなければシャーと言ったこともない、優しくて穏やかな子です。筋金入りの甘えん坊で、特に、おかあしゃん命~というくらい、私にベッタリなところは可愛いとしか言いようがありません。年齢は12歳のシニア猫ですが、中身は永遠の3歳です。
いろはの日常
遊びは全力で!
毛づくろいは念入りに
いろはは私を本当のお母さんと思っているようで、私の姿が見えないと鳴きながら探したりもするほど。かたや夫のことは専属マッサージ師くらいに思っているようで、マッサージのときだけは身をゆだねますが、それ以外はあまり近くに行きません。
夫に馴れるまでには3年半かかりましたが、未だに夫が近くに来るとすっ飛んで逃げることも。夫は猫が大好きなので、完全な片思いですね(笑)。
いろはもあっという間にシニアになって、近いうちにおとうしゃんとおかあしゃんの歳を超えちゃうけど、みんなで仲良く楽しい老後を迎えようね!
いろははお嬢様?
まるで深窓の令嬢
バラを背負える華がある!
いろはの主張