看板猫コハクくんに会いに行きたい! 雑司が谷・猫アクセ「アトリエちぃぷぅ」

文・写真 鈴木美紀

井坂智宏さん瑞紀さんご夫妻。「猫を保護したことがきっかけで、いつの間にか猫モチーフばかりに!」

「看板猫になるべくして生まれたコって、いるのかもしれない」。運命を信じたくなるほど、コハクくんの看板猫っぷりは堂々としている。

東京・雑司が谷は緑あふれる歴史の町だ。都電の鬼子母神前駅、駅前のちいさな看板を目印に路地を入ると、細い砂利道がつづいている。猫が大好きそうな小道だ(あとで聞くと、町ぐるみで地域猫対策が盛んな場所なのだという)。その先に、ちょこんと可愛らしいアトリエ&ギャラリー「ちぃぷぅ」があった。

アクセサリーはすべてオリジナルデザイン。最新の人気は「猫土偶」

出迎えてくれたのは井坂智宏さん瑞紀さんご夫妻。瑞紀さんがデザインと原型を担当し、智宏さんが加工、仕上げをして、一点もののアクセサリー&ジュエリーを創る。ほとんどが猫をモチーフにしたものである。

個性的な表情が楽しい「猫仏」

そんなギャラリーの中で、ぬいぐるみのように静かに、けれど圧倒的な存在感をもって佇んでいるのが看板猫のコハクくん。2021年にケガをしていたところを井坂さんの友人に保護され、一家の一員となった男のコだ。

このコハクくん、やってきた当初は細身だったというが、現在は幸せ太りなのか、なかなかどうして、貫禄のあるお体。

お気に入りの猫ベッドでは丸くなって、台の上ではじっとお座りポーズで、被り物を被せられても嫌な顔ひとつせず、瑞紀さんにだっこされるとうっとりと、大きな物音がしてもどこ吹く風、まったく動じることがない泰然自若のご様子。

コハクくんは、営業時間中はお店にいて、終わると猫タワーでひとり、まったりするのだという

「はじめてのお客様に撫でられ、だっこされてもゴロゴロ言うんですよ」と瑞紀さん。「アクセサリーを購入されたお客様が『コハクくんもください』って!」。

その気持ち、よくわかる。寝ているときもスリスリ甘えているときも、魅惑の雰囲気で目が離せなくなるのだ。許されることなら一日中コハクくんを見ていたい。そんな気持ちにさせられる看板猫だ。

製作中も、お膝の上で甘えてスリスリのコハクくん

とはいえ、「ちぃぷぅ」の猫はコハクくんだけではない。店名になったちぃぷぅくんが、井坂家最初の猫。「庭で生まれたけれど弱っていた仔猫を保護したことが、猫モチーフの『ちぃぷぅ』誕生につながりました」。

ちぃぷぅの名は、ケガをしていたシッポの形からで「ちいさなプードル」の意。なんと犬の名前だった!?

現在ちぃぷぅくんは糖尿病でインスリン治療中のため、コハクくんが一手に看板猫の役を担っている。アトリエにはほかにも、ちょっとシャイなサンゴとシルバのきょうだい猫、さらに秋田犬の金時もいる。

どうぶつと緑と、天然石ジュエリーと。見ているだけでほっこり豊かな気持ちになれる場所である。

アトリエちぃぷぅ 雑司が谷ギャラリー
東京都豊島区雑司が谷2-8-4
営業日/土~月曜(不定休)
営業時間/:13:00~18:00
https://www.ci-pu.com

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