東京・荒川区。古くから隅田川沿いを中心に、町工場が立ち並ぶ「町屋」にやってきました。ちんちん♪ 走る路面電車、懐かしい雰囲気の商店街、定食屋に銭湯……。再開発は進んでいるけれど、下町的町並みは健在です。今日は、かつて「お化け煙突」として有名な千住火力発電所があった「尾竹橋」近くの、或る工場へ向かいます。
天然調味料、カルシウム食品等の製造販売を主とする、創業120年の「徳岡商会株式会社」。先の大戦直後は、厚生省の要請を受け、数多くの帰還兵の栄養失調対策の機能回復食品として、牛骨の骨髄スープを提供していた由緒ある会社であり、現在は、国産の自然素材だけを使ったドッグ&キャットフードを製造。生産地や流通の履歴の明らかな素材、動物たちの信頼を裏切らない安全なフードは、口コミを中心に評判を呼んでいます。
工場入口の事務所(店頭でフードを販売)に行くと、沢山の猫達がいました!! なんと、20匹。みんなおっとり、歓迎ムードで懐っこい子達に囲まれちゃいます。
猫が暮らしやすいように設計されている3階建ての猫の家を、新入りのニコ君が自慢げに案内。外光が入る大きな窓にはキャットウオーク、螺旋階段に猫専用階段……。こちらは元々、工場の敷地にいた外猫達のために、5代目社長が作った建物で、まるでオシャレな猫カフェみたいです。
社長ご夫妻は、自宅でも6匹の猫を飼う、大の猫好き。一時期は40匹もの猫がいたこともあって、今まで多くの猫達を看取ってきたといいます。お世話が大変でも、里親には出さず、全員受け入れる懐の深さ!事情があって飼えなくなった飼い主からも引き受ける器の大きさに感激です。業務の多忙な日々、こんなにキレイにお掃除が行き届いているのは何故?と聞けば日替わりで猫のお世話係を雇っているとのこと。
家政婦さん付き・悠悠自適生活の猫達の仕事といえば、毎日の「ジロ吉ごはん」とおやつの試食、かな?
こだわりの凄い「ジロ吉ごはん」、どうやって作っているのか知りたくなってきました。社長の徳岡光洋さん(61)は、自信をもって、とても手間のかかる製造過程を見せてくれると言います。再訪は、工場見学に決定です!
徳岡商会株式会社
東京都荒川区町屋5-22-1
TEL 03-3892-5058 FAX 03-3895-4209
Twitter:@jirokichigohan
オンラインショップ:「こだわりのジロ吉ごはんだよ!」
http://www.jirokichigohan.jp
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芳澤 ルミ子
カメラマン。1972年生まれ。独学で写真を学び猫撮影を中心に活躍。猫の自然な姿と個性を捉えた写真を得意とする。著書に『ネコの裏側』(辰巳出版)、『にゃんたま』『開運酒場』(自由国民社)。