『猫びより』5月号の特集「猫と一緒に生き残る防災」にご投稿いただいたエッセイを、ぜひ紹介したくて猫びよりプラスにて公開します。 10年前、東日本大震災を経験された徒然猫屋。さんと愛猫たちの体験談です。
「東日本大震災」当時は夫婦でフルタイムで勤務していました。当時、販売業だった私は勤務先が通常営業となり夜遅くまで帰れず、都内で勤務する夫も電車が止まっていてなかなか帰宅できませんでした。
夫婦二人と高齢の猫と重度の障害のある猫を含む5匹と暮らしていたのですが、猫の安否すらわからず本当に不安でした。深夜に徒歩で帰宅すると、揺れで落ちた荷物が散乱する部屋に何とか無事でいてくれた猫たちを見て震えと涙が止まりませんでした。全盲で食事摂取にも問題のある猫がいたので落下物がもし当たっていたらとゾっとしました。それからは机の下に猫ベッドを設置するなど不在時の防災についても考えるようになりました。
また、震災直後に被災地(主に福島)の猫たちのためにできることを探し「預かりボランティア」を志願したのですが、当時は原発の影響で移動に制限がありボランティアさんも入れず自力で現地まで行くしかありませんでした。自身も多頭飼いで余震の続く中長時間家を空けられないので現地には向かえず、人間向けの支援物資を運搬する方に無理を承知で「猫餌」を大量に持って行っていただき現地に届けてもらうしかできませんでした。
現在は、プライベートでできる範囲ですが「東日本大震災」を機に東北の猫の保護をして避妊手術と里親さん探しをしています。昨年は7匹の猫を保護、譲渡しました。これからも少しでも困った猫がいなくなるように頑張りたいです。
(東京都 徒然猫屋。)