「南中野地域ねこの会」は、会長の村野君枝さんが18年ほど前に仲間たちと一緒に立ち上げた、TNR(※)を目的とした団体。
もともとは中野区の猫たちが人と共生できる環境を整えていくのを目的としたボランティア活動でしたが、縁あって千葉県や栃木県の猫たちを保護することもあるんだとか。
「最初に飼ったウサギが死んで悲しんでいた時にもらったのが初めての猫でね。猫を飼い始めたら近所の外猫たちのことも気になってしまって。
当時は避妊や去勢手術のことも何もわからなくて、外の猫にエサをあげているとお母さん猫が子猫を連れてきたりしたので、高額な手術費を自腹で支払っていました」とのこと。
※TNR…T(Trap:捕獲器で捕獲すること)、N(Neuter:不妊手術)、R(Return:元の場所に戻し、適切な管理のもと一代限りの命を見守ること)
もともとの家業だった食品問屋の倉庫を、14年前に飼い主のいない猫の不妊去勢手術専門のMOCOどうぶつ病院(現在は八王子に移転)に提供すると同時に、多数の保護猫たちのシェルターも併設。多いときは1日に30~40匹手術をしたこともあるそうです。
「長年活動を続けてきたから、近所の猫はだいたいTNRが終わって、今では新しく生まれる猫もほぼいませんね」とのこと。
今後の課題は外猫だけでなく、多頭飼育崩壊や孤独死などで残された猫たちのこと。
「猫を飼うのなら、終生大事に飼育してもらいたいです。万が一自分が病気になったり、亡くなったりした場合の猫たちの行き先と生活費を用意しておくこと。それが飼育してくれる相手にきちんと渡るよう遺言書を残してくれれば完璧ですね」
と語る村野会長の言葉がとても心に響きました。
南中野地域ねこの会
東京都中野区南台2-29-2
http://minaminakano-chiikineko.jp
X(Twitter):@MNC_staff
取材・平野敦子