代々木八幡宮・ぬいぐるみみたいな看板猫【芳澤ルミ子のぶらにゃんこ 第13回】

写真・文 芳澤ルミ子

三度の飯より「遊ぶこと」が好きな祭ちゃん

近年、パワースポットとしても人気の高い「代々木八幡宮」。
神聖な森のような境内には、参拝した有名人の多くが成功していったという伝説を持つ「出世稲荷」があり、また時間帯によっては、境内で大切にされている猫達に会えることも。

緑豊かな鎮守の社・代々木八幡宮。御祭神は応神天皇。成功や勝利の神様として知られる

八幡宮の階段を登って「二の鳥居」手前を右に曲がり「福泉寺」を過ぎ、道なりに少し行った先の一軒家2階にある、お茶屋さんにお邪魔しました。 迷路みたいなこのアプローチ、秘密基地への小道みたいでワクワクしちゃいます。

一軒家1階が入口。まるで友達の家にお茶しに行くよう

養生茶のお供は「祭ちゃん」クッキー

だんで茶屋のお茶は、有機・無農薬の茶葉を使用。毎日飽きずに飲める「養生」を意識したオリジナルのお茶です

「だんで茶屋」は養生茶と手作りおやつのお店。
そして今日のお目当ては「祭ちゃん」(3歳♂)。お手てを揃え、蝶ネクタイでお出迎えしてくれる姿に即、一目惚れ。 ご多分に漏れず「ぬいぐるみみたい! カワイイ!」と言いながら、激写せずにはいられない魅力。お茶を飲んで心落ち着かせようとしても「遊ぼうよ」とくるくるした澄んだ目で誘ってくるので、もう、たまりません。

店主のフィッシュバーン真也子さんはメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を持つ

店主のフィッシュバーン真也子さんは、18年間病気ひとつせず老衰で命を全うした先代猫「ぐーちゃん」が数年前に亡くなってから、動物のいない暮らしがしばらく続いていました。にんげんの家族よりも長く時を過ごしてきたこともあり、ぐーちゃんへの想いは格別だったそう。

お客さんの隣に座ってもっと遊んでアピール

半年ほど喪に服し、保護猫サイトを通じて1歳の猫を譲り受けました。代々木八幡宮のお祭りの日にやって来たので、祭ちゃんと命名。当時は臭いも酷く、毛玉だらけの状態で、半年ほど3階のオフィススペースのクローゼットに隠れて出て来ない引きこもり状態でしたが、真也子さんの献身的な愛情に少しずつ心を開いていったのです。

ふさふさのしっぽに見惚れてしまいます

そしてある日偶然、鉢合わせてしまったお客さんがオモチャで上手に遊んでくれたことがきっかけで、「遊んでくれるからにんげん大好き!」と覚醒し、今では立派なお店のホストになるまでに成長しました。

お菓子を咥えて叱られててへぺろ

あったかくてほっとするお茶を頂いて養生、祭ちゃんの可愛い接待で癒される贅沢な時間でした。

だんで茶屋 東京都渋谷区代々木5-2-5 2F
TEL 03-5454-4954
営業時間:10:00〜16:30(入店は16:00まで)
営業日:金〜日曜、祝日
営業日のご確認、ご予約などはお問い合わせください
オンラインショップ:https://dandechaya.base.shop
Instagram:dan.de.chaya

 

芳澤ルミ子
カメラマン。1972年生まれ。独学で写真を学び猫撮影を中心に活躍。
猫の自然な姿と個性を捉えた写真を得意とする。著書に『ネコの裏側』(辰巳出版)、『にゃんたま』『開運酒場』(自由国民社)。

-猫びより
-