文・写真 堀晶代 ワインの酩醸地として知られるブルゴーニュ地方。その壮大な歴史を物語るワイナリーのひとつが、ドメーヌ・フルーロ・ラローズだ。ワイン造りの記録はフランス革命以前まで遡り、1912年からはシャトー・デュ・パスタン、日本語にすると「趣味の館」という粋な名前のシャトーに居を構えている。 地下の1階と2階に広がるカーヴ(熟成庫)に案内されると、時が止まったかのように静かに流れる、たぐいまれな美しさに息を呑む。当主ニコラ・フルーロさんの奥さまは、日本人の久美子さん。「百年以上も前のワインも眠っているん ...